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新しい季節をミモザの花とともに

投稿者:所長 2025年03月04日

 今年の冬は寒かったですね。最低気温とは言え氷点下になった日がかなりありました。北九州では、梅や早咲きの桜の開花は例年よりも遅れているようです。

 でも、もう3月。寒くなる日はあっても、確実に春へと季節は進んでいきます。

 

 卒業や退職など、人生の節目を迎える方も、転勤や異動、進級、年度替わりの業務などで忙しくされている方も、たくさんいらっしゃることと思います。

 新しい季節に、ムーブでの「学び」をいかがでしょうか。

 

 語学講座のご案内から。英会話の初級(昼コース)と中級(夜コース)で、いずれも4月9日から6月25日までの毎週水曜日、全12回です。

 詳細・お申込みは、こちらから。

 

 次に、「働く女性に贈る!お役立ちワンポイントセミナー」。今回のテーマは「こころのストレッチ 望む人生に向かって前進する『わたし』発見セミナー」で、4月12日(土)、26日(土)の全2回です。

 詳細・お申込みは、こちらから。

 

 また、3月15日(土)には、アジア女性交流・研究フォーラム主催の「第37回KFAW研究報告会」を開催します。2023/24年度客員研究員の児玉谷レミさん(一橋大学大学院社会学研究科博士課程)によるご報告で、テーマは「ジェンダー化される災害派遣表象 -非戦闘任務における軍事的な男らしさ」。オンライン開催で、会場での視聴も可能です。

 詳細・お申込みは、こちらから。

 

 ところで、この時季に咲く黄色い「ミモザ」の花をご存知ですか?

 私は、「ミモザ」というと、到津動物園のキリンの近くで、小さくて黄色いボンボンのような花をたくさんつけた枝葉が豊かに揺れている光景を思い浮かべるのですが、ヨーロッパでは「春の訪れを告げる花」として親しまれているそうです。

 

 この「ミモザ」の花がシンボルとなっているのが、国連が定めた「国際女性デー」(3月8日)です。

 今年のテーマは、「すべての女性と少女のために:権利、平等、エンパワーメントを」。

 

 また、今月10日~21日には第69回国連女性の地位委員会(CSW69)が、北京+30をテーマに開催されます。1995年に第4回世界女性会議で採択された「北京宣言」と「北京行動綱領」は、その後の政策や取組みの国際的な指針となりました。会議から30年となる今年、これまでを振り返りながら、改めて行動を呼びかけるものです。

 

 30年前、北九州市からも、女性たちが会議と並行して行われたNGOフォーラムに参加してワークショップを開催しました。

 (公財)アジア女性交流・研究フォーラムのホームページに、「国際女性デー」特設ページを掲載しますので、ぜひ、ご覧ください。

 

 さらに、小倉昭和館では、3月12日(水)まで、“最強のレディ2本立て”として、『ベルナデット 最強のファーストレディ』と『RBG 最強の85才』が上映されています。上映日と時間をご確認のうえ、ご鑑賞ください。

 

 「ミモザ」の花を見かけたら、ご紹介した以外にも、北九州市はもちろん世界各地の女性たちが、さまざまな取組み、メッセージの配信などを行っていますので、ネットで検索してみてください。

 

 3月上旬、桜の枝では、たくさんの蕾が、少しずつ少しずつ、ふくらみを増して下旬の開花に備えています。わたしたちにとっても、新しい季節に備えて自分と向き合い、ちょっとでも何かに気づき、学ぶのにふさわしい時季なのかもしれません。

 

 皆さま、良い春をお迎えになりますように。

 

 

 

                    2025年3月

 

                     北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長

                                  桝尾 美栄子

冬から春へ ~はじまりの季節

投稿者:所長 2025年02月04日

 「立春」。四季をさらに六つに分けた二十四節気の一番初めの時季。

 今年は2月3日でしたが、立春を過ぎたということは、厳しい寒さの中にも、これから、少しずつ少しずつ春が育まれていくということですね。

 

 今年はスギ花粉の飛散が多くなりそうだ、桜の開花が例年より早まりそうだ等、春を意識した報道も増えてきました。

 ムーブでも、4月以降の事業の企画や仕込みを始めています。新しい何かを始めてみたい、視野を広げてみたいと、ちょっとした一歩を踏み出すのにふさわしい、と思っていただけるよう様々なテーマの事業準備を進めているところです。楽しみにお待ちください。

 

 今年も、「ムーブフェスタ2025」の実行委員会が先月から活動を始めました。シンポジウムやイベント、広報などについての検討とあわせて、「市民企画事業」の募集も始まりました。昨年は、3週間のフェスタの期間中、110もの事業が展開された中核的な事業です。

 開所30周年となる今年のムーブフェスタを、ぜひ一緒に盛り上げていきましょう。ご応募をお待ちしています。お知り合いの方にもお声かけをお願いします。

 詳しい内容・お申込みは、こちらから。

 

 3月15日(土)、「中島俊介先生の心理学講座」を門司生涯学習センター大里分館(旧レディスもじ)で開催します。毎年ご好評いただいている講座で、今回のテーマは、「男女の人権・平和の花は対話の大地から」です。応募者多数の場合は抽選になります。

 詳しい内容・お申込みは、こちらから。

 

 2月15日(土)には、「第35回アジア女性会議 北九州 ~人口が減少する社会でどう生きるか」を開催。国連の国際人口移動統計専門家グループメンバーでもいらっしゃる、常磐大学・常磐短期大学学長の富田敬子先生による基調講演と、人口減少が続く日本と、少し遅れて人口減少が進むタイの現状や対応策について、ジェンダーの視点を入れたパネルディスカッションを予定しています。

 先月もご紹介したのですが、会場参加、オンライン参加ともに、まだ余裕があります。日英同時通訳。お申込みは、2月12日(水)まで。

 詳しい内容・お申込みは、こちらから。

 

 また、新たなシーズン、転機を前に、何かしら悩みがある、誰かに相談したい、と思われることがあったら、「ムーブ相談室」に、気軽にお電話ください。さまざまな相談メニューがありますよ。

 詳しくは、こちらから。

 

 そのほか、図書・情報室では、本はもちろん、ジェンダー問題、ハラスメント、DVなどの研修用のDVDの貸し出しもしていますし、フィットネスルームやOAルームの個人利用もできます。

 

 そして、ムーブでの主催事業へのご参加・施設ご利用の場合は、託児をご利用いただけますので、子育て中のお母さんも、たまには、お子さんを預けて、新たな出会い・気づきの場に身を置いてみてはいかがでしょうか。

 詳しくは、こちらから。

 

 まだまだ寒い日は続きますが、梅のつぼみも少しずつ膨らんでくることと思います。

 季節の移ろいのなか、体調を崩されないようお健やかに過ごされますように。

 

 

                    2025年2月

 

                     北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長

                                  桝尾 美栄子

今年もよろしくお願いします

投稿者:所長 2025年01月01日

 あけましておめでとうございます。

 皆さま、新しい年を迎え、いかがお過ごしですか。

 今年の干支は、乙巳(きのとみ)。新たな気持ちで前を向くためのヒントは何かないかと、HPで調べてみました。

 

 「乙(きのと)」は、植物の成長途上を意味し、柔軟性・協調性を象徴。一方、「巳(み)」は、皆さんご存知のとおり「蛇」ですが、脱皮のたびに表面の傷が治癒することから、たくましい生命力、そして植物が最大限に成長した状態を象徴するそうです。

 これらを組み合わせた「乙巳(きのとみ)」は、これまでの努力・準備が実を結び始めることを示唆し、すぐに結果が出なくても、焦らず、粘り強く取り組む姿勢が重要とありました。自分のペースを保ちながら着実に前進することで、最終的には、望む結果に近づくことができるそうです。ご参考までに。

 

 さて、今年7月、ムーブは開所30周年を迎えます。30周年を祝うムーブフェスタの実行委員会が、今月初会合を開きます。これから7か月間、フェスタの企画、実施に向けた検討がはじまります。これから逐次、その模様もお伝えしますので、関心を持って見守って、ぜひ参加してみてくださいね。

 

 また、今年も、さまざまな講座・催しも企画・準備しています。申込みの始まっている催しをご紹介します。

 

 まずは、2月15日(土)開催の「第35回アジア女性会議 北九州 ~人口が減少する社会でどう生きるか」。

 基調講演にお迎えするのは、常磐大学・常磐短期大学学長の富田敬子氏で、国連国際人口移動統計専門家グループのメンバーでもあります。ジェンダーの視点から、アジア地域や日本の少子化・人口減少の背景や要因を踏まえて舵取りを考えます。また、タイの専門家も交えて、最新のアジア地域の人口・社会調査をご紹介いただきながら、課題を共有し、方策を議論します。

 お申込みは、こちらから。

 

 3月1日(土)には、「父と子の料理教室 ~中華で春のおもてなし」を開催します。人気の講座で、応募者多数の場合は、抽選です。

 お申込みは、こちらから。

 

 そして、何か新しいことを探している方には、ムーブ1階の図書・情報室のご利用をお薦めします。ジェンダー問題に関する図書を中心に、専門性の高いものから、読みやすいもの、児童書や雑誌まで幅広く揃っています。

 

 何を選んでよいのかわからない方には、情報誌「MOVING」カティング・エッジコーナーで毎号、オススメの本をご紹介していますので、参考にされてください。また、人気・話題の本は、カウンター前に並べていますので、お気軽にどうぞ。

 子育て中のお父さんなど男性向けのものもたくさん揃えています。

 ご利用方法は、北九州市立図書館と同様です。

 詳しくは、こちらから。

 

 ムーブでは、ジェンダー平等、女性のエンパワーメントの実現に向け、皆さまと共に学び、考えながら、焦らず、粘り強く、歩んでまいります。

 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

                    2025年1月

 

                     北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長

                                  桝尾 美栄子

良いお年をお迎えください

投稿者:所長 2024年12月19日

 早いもので、年の瀬が迫ってきました。多くの方が忙しくお過ごしのことと拝察いたします。

 一方で、年末年始は、「今年は、こんなことがあったなあ」、「来年は、ちょっと新しいことを始めてみようかな」、「ずっとお会いしてないあの人は、どうされているかなあ」など、改めて、これまでを振り返り、考えるきっかけを与えてくれる時期でもあります。

 

 そんな時、ムーブの講座も一つの選択肢としてお役に立てるように、年明けのオススメ講座をご紹介します。

 

 1月13日(月・祝)、「自尊感情を育む性教育 ~心を生かす『性』の伝え方~」を開催します。福祉、教育、医療などの分野で、子どもに携わる仕事や活動をされている方が対象で、思春期保健相談士の徳永桂子さんをお招きし、「自分を大切に思う気持ち」を育む性教育について考えます。先着順ですので、お申込みはお早めに。

 お申込みはこちらから。

 

 2月1日(土)、八幡東生涯学習センター尾倉分館で、男女共同参画啓発講座「あなたの魅力を引き出す! 声と話し方コミュニケーション」を開催します。毎年好評をいただいており、定員20名(抽選)ですが、年齢性別に関係なくどなたでも応募できます。会場がムーブではありませんので、お間違いなく。

 お申込みはこちらから。

 

 今年は、カレンダーの関係で、年末年始の休暇が12月28日(土)から1月5日(日)までの9日間と、例年よりも長いという方も多いと思います。

 家族・親族と一緒に過ごしたり、旧友との親交を深められたりと、大切な方と向き合う機会も増える時期。ふだんは言えない感謝などの気持ちを言葉にして伝えたり、相手の言葉に耳を傾け気持ちを汲み取ったり。コミュニケーションを大切にして、思いやりや信頼を築く機会にしませんか。ジェンダー平等は、身近で大切な人との関係から。

 皆さま、心を温かくして、良いお年をお過ごしください。

 

 ムーブは、来年も、皆さまに新しい学びや気づきを提供し、ジェンダー平等、女性のエンパワーメントの実現を目指して。皆さまと共に歩み続けてまいります。

(年末年始の休館日は、12月29日から1月3日まで)

 来年も、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

                    2024年12月

 

                     北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長

                                  桝尾 美栄子

秋の講座を振り返って

投稿者:所長 2024年11月27日

 街では、木々が色づき、落ち葉が増え、夜にはイルミネーションが輝く季節になりました。目白押しだった秋のセミナーや講座などの事業も終盤を迎えます。

 この秋も、さまざまな講師や参加者のおかげで、たくさんの事業を開催し、たくさんの貴重なお話しをいただいています。

 

 そこで今回は、これまでの秋の事業を振り返って、私の心に沁みてきたお話しを、一部ですが、ご紹介したいと思います。

 

 まずは、この秋、ジェンダー平等の推進にあたって重点を置いてきた「家族」「父親」をテーマとした事業から。

 「世界の行政官とおしゃべりしよう! 家族のカタチ」(10月5日)、「木山裕策さん講演会 子育てで深めよう!家族の絆」(10月19日)では、講師やご参加の方々が、ご自身の経験を踏まえて、決意表明として、おっしゃっていたことが、心に残りました。

  • 家族だからこそ言葉にできていない感謝や期待、心配などの気持ちを言語化して、忙しくても日頃からコミュニケーションをしっかりとる!
  • 自分で考えて行動できる子どもに育てたい。
  • 家族一人ひとりをリスペクトし、助け合い、それぞれの選択を尊重することが大切。

 

 続いては、「女性のエンパワーメント」に関して、11月9日に開催した「ムーブカフェ」でのロールモデル川上布裕子さんのお話しから。

 好きな英語を生かせる仕事を求めて転職。派遣社員として、現在お勤めの会社に携わるようになったことが転機に。契約社員から正社員、そして管理職へ。常に自然体で、現在は管理本部の広報部長でご活躍中の川上さんの言葉です。

  • 新しい仕事・職場が、新しい好奇心を与えてくれ、仕事の幅が広がり、物事の捉え方も変えることができたと感じています。
  • 他者は、客観的に評価をし、新たな場を与えてくれていると考え、今の「好き」にこだわりすぎず、チャレンジしてみることをオススメしたいと思います。

 

 こんな素敵な川上さんがお勤めの会社が、株式会社YEデジタル。昨年、「北九州市女性活躍・ワークライフバランス表彰」市長賞を受賞されましたが、今年は、「第23回福岡県男女共同参画表彰 社会における女性の活躍推進部門」を受賞されました。 

 【評価】  

・「女性にやさしい会社は、みんなにやさしい会社」風土・仕組み・環境づくり

・テレワーク環境「どこでもオフィス」  

・法定の年休と別に積立休暇導入

 

 そして、11月20日に開催した、女性への暴力ゼロ運動の特別講座「DV加害者は変われるか Part2」から。

 講師は、以前DV関係にあったご夫婦で、現在はDVなどに悩む方たちのサポートをされています。好評だった昨年の続編の今回は、加害者向け更生プログラムや被害者向け回復プログラムに関して、丁寧にお話しくださいましたが、その内容は、親子など、夫婦に限らない幅広い人間関係をも考えさせられるものでした。

  • 「責任」とは、自分で自分を幸せにできることであり、自分の機嫌を自分で取れること。(選択理論提唱者ウィリアム・グラッサー博士)
  • 圧力をかけることで相手を変えられるという思い込みは捨てましょう。批判したり、責めたり、ガミガミ言ったり、外からの圧力で人の気持ちは変わりません。
  • 幼少期から家庭や学校、社会からの外的コントロール(「否定」や「比較」などの言葉)を受け続けると、自己肯定感が低下します。弱い自分に気づかず、間違った「選択」をすると、被害者から、加害者側になる可能性があります。

 

 これからも、さまざまなテーマで、さまざまな気づきを提供し、共に考えるきっかけとなるような事業を展開できるよう努めてまいります。

 気になるテーマの事業に出会えたら、参加してみていただければ幸いです。

 

 寒さが増していく時節柄、心も身体も温かくお過ごしになりますように。

 

 

                    2024年11月

 

                     北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長

                                  桝尾 美栄子

彩り豊かな学びを

投稿者:所長 2024年10月25日

 秋が深まっていきます。ムーブでは、多彩な学びのメニューをご用意しています。

 

 まずは、女性のエンパワーメントに関するご案内から。

 ご自分のキャリアを考えたい女性には、「ムーブカフェ」(11月9日(土))。自分らしさを大切にしながらも、着実にキャリアアップされている自然体のロールモデルのお話しを聞いて、女性同士で情報交換しませんか?残席わずかです。お急ぎください。

 お申込みは、こちらから。

 

 同日午後に開催のセミナーのテーマは、「協同組合と女性のエンパワーメント」。

 2年前に「労働者協同組合法」が施行されたのをご存知ですか?目的は、子育て支援や介護、地域づくりなど、さまざまな課題の解決により、持続可能で活力ある地域社会の実現を促進するため。組合員が出資し、意見を反映し、共に働く、という組織のための法人です。「協同組合」という組織の選択肢が増えることで、地域での女性の活動がより活発になれば素晴らしいですね。

 お申込みは、こちらから。

 

 11月25日は、「女性に対する暴力撤廃の国際デー」です。日本では、毎年11月12日から25日までの2週間が「女性に対する暴力をなくす運動」の期間です。例年、この間、夜のムーブはパープル・ライトアップで紫色に包まれます。外壁工事中の今年は、藤棚風の電飾に計画・準備中です。

 

 運動の一環として、11月20日(水)、「DV加害者は変われるか Part2」を開催します。加害者だった夫と、被害者だった妻の「変われた」体験をお話しいただく講座で、大きな反響を呼んだ昨年の続編です。オンラインでの受講になります(映像の会場視聴もあり)。

 お申込みは、こちらから。

 

 また、11月27日(水)には、さまざまな女性への暴力への相談を、弁護士が電話で受ける「女性への暴力ゼロ!ホットライン」を実施します。

 詳しくは、こちらから。

 

 さて次は、ムーブ映画祭。12月7日(土)、『The Son/息子』を上映します。ゴールデングローブ賞主演男優賞ノミネート作品を、ホールの大画面でご覧いただけます。作品をより深く理解していただくため、上映前には、小倉昭和館の樋口館主と臨床心理士・公認心理師の守吉氏によるトークイベントも予定しています。

 お申込みは、こちらから。

 

 「女子差別撤廃条約」ってご存知ですか?男女の完全な平等の達成に貢献することを目的として、女子に対するあらゆる差別を撤廃することを基本理念とする条約で、1979年に国連総会で採択されました。日本は、1985年に批准しましたが、その際、条約に合わせて男女雇用機会均等法を制定するなど国内法を整えました。

 国連女子差別撤廃委員会が締約国のジェンダー平等の取り組みを審査し、勧告を行うという制度があり、前回の日本への勧告により、女性の婚姻年齢を18歳に引き上げる民法改正が行われています。

 

 12月14日(土)の国際理解セミナーは、女子差別撤廃委員会委員の秋月弘子氏による、8年ぶりの日本審査(10月17日)についてのお話しです。指摘された問題などを軸に、日本におけるジェンダー平等への課題を考えます。ムーブの管理運営を行っている(公財)アジア女性交流・研究フォーラムの主催です。

 お申込みは、こちらから。

 

 続いては、12月8日(日)の「国連ウィメン日本協会北九州設立30周年記念講演会」。「国連ウィメン」は、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関で、それを支援するための日本の組織が「国連ウィメン日本協会」。その協力団体として北九州で活動している団体が主催する記念講演会です。ご登壇いただくのは、「女性の品格」など著書も多数の坂東眞理子氏と、日本協会理事長の橋本ヒロ子氏。多彩な経歴をお持ちのお二方から、幅広く、奥深いお話しをお聞きできますよ。

 お申込みは、こちらから。

 

 ご興味を持たれた催しはありましたか?いずれも無料ですので、お気軽に参加してみてはいかがでしょうか。

 ご参加の事前・事後学習には、ムーブ1階の図書・情報室のご利用をお薦めします。ジェンダー関係の図書や資料など、幅広く揃っています。また、貸出用DVDは、地域や職場で研修などにも使えますよ。

 それぞれの秋をご堪能ください。

 

                    2024年10月

 

                     北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長

                                  桝尾 美栄子

秋の講座・催しのご案内

投稿者:所長 2024年09月24日

 秋であることを忘れるほど暑い日々が続いています。でも、確実に、日の出は遅く、日の入りは早くなっていますし、空を見上げると、秋の雲や美しい夕焼けを目にしたりして、ふと、秋の気配を感じることも増えてきました。

 秋は、学びの季節。五感を研ぎ澄ませて秋の気配を探しながら、新たな気づきを得たり、家族や友人と語り合ったりして、満たされた時を過ごしたいものです。

 今回は、涼しい秋の日を待ちわびながら、ムーブの秋の講座・催しをご紹介します。

 

 ムーブでは、ジェンダー平等や女性のエンパワーメントの視点から、さまざまな催しを行っていますが、女性のための場所だと思っていませんか?

 ジェンダー平等社会は、男性と女性が共に力を合わせてつくり上げていくもの。

 ムーブでは、これまでも、さまざまな男性向けの講座等を実施してきましたが、この秋、「家族」、「父親」をテーマにした講座などの事業を開催します。

 

 まずは、さまざまな分野で活躍されている男性講師を迎え、その生き方や経験を通してジェンダー平等を考える「おとこのライフセミナー」。

 毎年「北九州イクボス同盟」との共催で実施しているこのセミナーですが、今年は講師に、シンガーの木山裕策さんをお迎えして、10月19日(土)に開催します。テーマは、「子育てで深めよう!家族の絆 ~苦境に負けない! my sweet home~」。講演後には、ミニコンサートで代表曲「home」をはじめとした歌も披露していただける、参加費無料の贅沢な講演会です。男性に限らず、誰でも参加いただけます。お申込みは、9月30日(月)まで。お急ぎください。

 お申込みは、こちらから。

 

 また、ちょっと先になりますが、12月7日(土)に予定している「ムーブ映画祭」では、家族とは、父親とは、を考えさせてくれる映画を、多くの皆さんに見ていただきたいと、企画中です。お楽しみに。

 

 そして、男性限定の講座。料理などの家事、育児など生活技術を身につけていただく講座を実施していますが、今回ご紹介するのが「介護男子 ~いざとなったらどうする?~」。11月2日(土)、10日(日)、30日(土)の全3回で開催します。

 親や配偶者などの突然のけが・病等により直面し、しかも、介護者の生活が一変することもある介護。その時に頼りになる介護保険の仕組みや各種サービスなどの基本的な知識を身につけながら、男性同士で考える講座です。「転ばぬ先の杖」。基本的な身構えができていると、余分なアタフタをせずに済みますよ。

 お申込みは、こちらから。

 

 さらに、10月26日(土)には、弁護士による「男性のための(離婚に関する)無料法律相談会」を開催します。1人あたり30分の個別相談で、参加費は無料です。お申込みは、電話のみです。

【申込みは、火曜日~日曜日9:00~17:00、ムーブ相談室 093-583-5197まで】

 

 このような事業の実施に合わせて、図書・情報室では、「家族」や「育児」などに関する図書を揃えた特設コーナーを、カウンター前に設けています。ぜひ、お立ち寄りください。

 

 最後になってしまいましたが、10月と11月は、「福岡県ジェンダー平等マンス」です。10月5日(土)と19日(土)の2日間、ムーブが「福岡県ジェンダー平等フォーラム2024」のサテライト会場となります。

  • ムーブ主催    5日:「世界の行政官とおしゃべりしよう! 家族のカタチ」
           19日:「木山裕策さん講演会」(今回ご紹介)

 両日は、ムーブ主催イベントの他にも、県民企画事業が開かれますので、ぜひ足をお運びください。

 詳しくは、こちらをご覧ください。

 

 ムーブでの学びが、皆さまの実りある人生のための糧の一つになれば幸いです。

 季節の変わり目です。体調を崩されないよう、お気をつけください。

 

 

                    2024年9月

 

                     北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長

                                  桝尾 美栄子

 

酷暑が続きますが・・・

投稿者:所長 2024年08月28日

 暑い日が続きます。35℃以上の猛暑日はあたりまえ。各地の連続猛暑日の最多記録が更新されたとの報道がしばしば。1か月以上も続く地域もあるようです。どう考えても異常気象だと思い、気象庁のホームページを見ると、ありました。「世界の異常気象」のページ。世界地図で示された、各地の異常な「高温」、「低温」、「多雨」、「少雨」など。世界がつながっていることを実感します。

 

 涼しいはずのパリでも、36℃の日もあり、熱中症に苦しむ選手たちも出たとか。

 そのパリで、「ジェンダー平等」を掲げたオリンピックが閉幕しました。出場選手を男女ほぼ同数にしたほか、各競技の決勝の日程順序についての男女平等も配慮されました。大会の「トリ」が女子マラソンになり、閉会式で行われた表彰式での女性メダリスト3人の晴れやかな笑顔が象徴的でした。

 

 また今大会、私にとって新鮮だったのが、スケートボードやブレイキンなどの「アーバンスポーツ」。そこでは、国を越えた選手たちの交流、ライバルへのリスペクトや励まし、観客の温かい声援など、心温まる場面の数々に惹(ひ)きつけられました。

 さあ次はパラリンピック。どのようなレジェンドが生まれるのか、楽しみは続きます。

 

 さて、オリンピック、パラリンピックという世界最大のスポーツの祭典を味わったところで、今度は、地元北九州市のムーブで、国際交流をしてみませんか?

 

 10月5日(土)、「世界の行政官とおしゃべりしよう!」を開催します。「家族のカタチ」という身近なテーマで、世界9か国の行政官の皆さんとお話ができますよ!通訳がつきますので、英語に自信のない方もご心配なく。

 また、話題提供のために、3組のプレゼンターにご発表いただきます。行政官チームに加え、NPO法人ファザーリング・ジャパン九州理事の髙橋建二さんと、ユーチューバーのジェニーKファミリーです。お子さん二人も参加予定ですので、ファミリーでの参加も大歓迎。年齢も、性別も、国籍も問いません。さまざまな方のご参加をお待ちしてます。

 

 一人親家庭やステップファミリーもあれば、高齢の親子など、「家族のカタチ」はさまざま。また、親子や兄弟姉妹、パートナーなど家族一人ひとりとの間のつながり、関わり方などにより、大げさですが、家族の文化が育まれているのだと思います。

 国や世代、価値観の異なる方たちとの気軽な交流を通じて、楽しみながら、新しい気づきを持って帰っていただけたら幸いです。

 お申込みはこちらから

 

 新しい家族が生まれるという男性へのおススメは、おとこの魅力アップシリーズ「育児男子」(9月21日(土)開催)です。参加者同士の交流もできる人気講座です。お申込みはお早めに。

 お申込みはこちらから

 

 そして、家族のことに限らず、お悩みのある方は、ぜひ、「ムーブ相談室」をご利用ください。女性のための元気アップ相談」や「男性のための電話相談」など各種ありますよ。ムーブのホームページ上部「相談したい方」をクリックしてご覧ください。

 お申込みはこちらから

 

 最後に、着任して2か月近くの私が今、感じていることを少しばかり。

 ジェンダーは、社会的、文化的に形成された性別のこと。社会も、文化も、時代の流れとともに変わり続けますから、ジェンダーの考え方も変わっていきます。でも、気がつかないうちに、どこかで「思い込み」にとらわれていないか。アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)は、きっと、いろいろなところに刻み込まれていると思います。それが、世代間ギャップにも。

 それに気づくには、やっぱり、いろいろな人のお話しを聞いたり、意見交換したりすることが大切なのだろう、とつくづく思います。

 ムーブの事業に参加して、お話しをお聞かせください。皆さまとともに歩みを進めるムーブであるために、努めてまいります。

 

 

                    2024年8月

 

                     北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長

                                  桝尾 美栄子

                    

着任のごあいさつ

投稿者:所長 2024年07月31日

 7月1日、前所長の小石さんの後任として着任した桝尾美栄子と申します。

 7月は、ムーブフェスタの月。6日から27日まで、実行委員会の皆さまの支援のもと、さまざまな事業が企画実施され、多くの方々の思いや熱意を感じることができました。今年のテーマ「ムーブでつながり 未来を拓く」のように、皆さまにとって、ムーブが、出会い、共感し、つながり、共に歩みを進めるよりどころとなりますよう努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 さて、ムーブフェスタ2024は、野々村友紀子さんの講演会で幕を開けました。

 家庭や職場などのさまざまな場面を想定した「野々村友紀子式ものの伝え方」を、ユーモアを交えてお話しいただきました。(詳しくは、情報誌『ムービング』10月発行の104号でご紹介します。)

 野々村さんのお話を聞いて、改めて気づいたこと。それは、日ごろから身近な人に、きちんと伝えることの大切さです。自分の思いが先行して押し付けになっていないか、肝心なことが伝わるくらいに具体的な話ができているか。いつも近くにいる人とのコミュニケーションには、慣れや甘えから配慮が不足しがち。常に心に留めておきたいと思います。

 

 北九州市では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という固定的な考え方を肯定する人は、17.0%(令和4年)。平成17年の57.5%から大きく減少し、全国平均よりも、男女平等意識が高くなっています。ところが、実際に、家庭生活や職場、政治の場、社会通念など社会全体で、男女が平等だと感じる人の割合は10.7%でしかありません(全国では14.7%)。 

 意識は高いのに、実践が伴わない。日常の「伝え方」が影響しているのかもしれません。

 

 ムーブフェスタの期間中、若い学生さんたちが、学びのためにムーブを訪ねてくださいました。

 なかでも、青山学院大学の皆さんには、5日間にわたる「地域実習」の場に、遠路はるばるムーブを選んでいただきました。キラキラした目と、しっかりと吸収し考える姿勢は、とても素敵で頼もしかったです。

 地元からは、小倉高校1年生の皆さんが、ジェンダー平等の学びを目的に。九州女子大学ESDサークルPLUMの皆さんは、フェアトレードカフェの企画・運営を目的に。そして、北九州市立大学地域創生学群ESDプロモート実習の皆さんには、高校生と結婚観について話し、多様な価値観を共有する企画を実施していただきました。

 皆さん、ありがとうございました。ムーブ一同、活力をいただきました。

 これからも、地元はもちろん、市外からも、若い学生さんたちにムーブをどんどん活用していただけたら幸いです。

 

 話は変わりますが、いよいよ、パリ2024オリンピックが開幕しました。さまざまな種目の選手たちの活躍に期待が高まっていますが、この大会では、ジェンダー平等の推進にも力を入れられているようです。

 

 「パリ2024は史上初めて男女にとって完全に平等な大会になります。パリ2024では、男子選手と同じ数の女子選手がスタートラインに立つことになります。それ自体が画期的な出来事ですが、私たちはフランスの全ての地域でも同じように反映されることを願っています。」(トニー・エスタンゲ パリ2024大会組織委員会会長)

 

 オリンピック、パラリンピックを通じて、競技に出場する選手を男女同数にする。フランス国内の女性のスポーツ参加を促進する。大会を、ジェンダー平等の推進に活用しようという意思が感じられます。

 オリンピック、パラリンピックの観戦と合わせて、ジェンダー平等にも注目しましょう。

 

 

                    2024年7月

 

                     北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長

                                  桝尾 美栄子

                    

新たなページをめくる その先を楽しみに

投稿者:所長 2024年06月28日

 

 

 

 暑い!本格的な夏が来ると・・そう、ムーブフェスタ(7月6日~27日)が始まります。

 オープニングや、キッチンカーもやってくるサマーカーニバル、パワフルなゴスペル&ダンスステージなどは前回ご紹介しましたが、それだけではありません。この期間、このフェスタに向けて、市民やNPOなどが企画・工夫した事業の数々は、楽しく学べる、文化に親しめる、味わえる、同じ関心の仲間を見つけられる、お買い物できるなどたくさんありますので、フェスタの特設サイトでチェックして、お見逃しなく!

 

 さて、ムーブでは、情報誌『ムービング103号』を発行しました。ムーブの事業や最新のジェンダー平等(男女共同参画)の知見・取り組みの紹介とともに、読んでみていただきたい図書情報も充実しています。

 冊子を手にしていただくのもよし、ウェブサイトをこちらから見ていただくのもよし。

 

 8月2日(金)10:30~11:00には、図書・情報室にて、親子向けに絵本を読み聞かせるおはなし会を開催します。

詳しい内容とお申込みは、こちらから

 

 夏休みの親子で参加できるイベントもあります。

  • 8月3日(土)「親子で学ぶナチュラルクリーニング」は、こちらから
  • 8月24日(土)父と子の料理教室「楽しく作ろう!野菜たっぷり簡単料理」は、こちらからどうぞ

 

 もうしないだろうと思っていた息子が結婚しました。というか、一体いつ結婚したのか、いまだにわかっていない親です。最近のやり方(じゃないかもしれないけど 笑)を「ヘえぇ」と観察しただけというか・・・

 結婚しようと思うので彼女を紹介したいという第一報があったのが約1年前。ちょうど、オペラ鑑賞で上京する予定があったので、「そのついでに」横浜に住むもう一人の息子ともども二人に会いました。数か月後、日取りの良い日に籍を入れたとの連絡。もう一緒に住んでいるのか尋ねると、回答は「移行中」。「えー、なんにもないの?相手のご両親に会う機会は?」で、初めて、半年後に親族だけの式と披露宴をすると。

 

 このやっと形になったものに出席して思ったこと:出席者のセリフや挨拶に、これまで私が出席した結婚式で耳にしてきた伝統的な女男関係を思わせるものがみごとにない。結婚した個人二人を結びつける儀式とお祝いだけ。その昔、自分の時に、母の世代の女性たちの「嫁にやる」会話に、「猫の子じゃないやい」とココロの中で憤慨したことを思い出して苦笑しました。

 やっぱり、世の中、動いている。その感覚が、とても新鮮でした。

 

 そうこうしていたら、もう一人の息子からも「会ってくれ」連絡。息子たちが人生を歩んでいくほどに、私も年を重ね人生のページをめくる。ジェンダー平等を阻むアンコンシャス・バイアスをきちんと認識して、少なくとも、次の世代に無意識の思い込みを再生産して邪魔することがないようにしようと思いました。

 

 

 暑い夏を、どうぞ、お健やかに乗り切ってください。

 

 

                      ムーブ所長 小石 佐織