「もはや昭和ではない」

投稿者:所長 2023年08月31日

 「もはや戦後ではない」は、戦後の復興期の、急速な経済成長をとげている時に流行った言葉でした。内閣府の令和4年版男女共同参画白書に書かれた「もはや昭和ではない」も、現状の変わりようをきちんと認識できていない状況に対して、上手く言い得たキャッチフレーズだと思います。前者の場合、「もはや」の後は明るい状況なのに対し、後者の「もはや」の後は、課題山積という違いはありますが。

 時代の転換期には、古い価値観に疑問が投げかけられ、人々は新しい生き方を模索する。社会の多くのシステムのベースとなる人間や家族像も違ったものになる。私もかなり長く生きてきたので、過去と対比してこういうことを実感できる年齢になったなあとしみじみ(笑)

 

 昭和の価値観の中で育ち、平成時代前半に子育てをしたワーキング・マザーの私は、男女不平等の経験をそれなりにシェアしていたので、息子たちを「新しい時代を生きるオトコ」として家事もできるように育てたいと思っていました。ところが、自らの手抜きと、子どもの面倒を見てもらっていた私の母の「あー、お祖母ちゃんがやってあげる」に、彼女の機嫌を損じることを恐れて抵抗できず、結局、家事能力のない息子たちを再生産してしまったのでした。「後悔、先に立たず」、とほほ・・ 

 アンコンシャス・バイアス含め、令和5年版男女共同白書がいう「昭和モデル」から「令和モデル」に移行する中で、こういう問題がゴロゴロある(笑)のは間違いないでしょう。

 私自身、内にもっているさまざまな矛盾に、学び実践していくことで対処していきたいと、改めて思います。手始めに、遅まきながら、お盆に帰省した息子たちに包丁を持たせ、料理レッスンをやりました。

 

 さて、今回は、男性の生き方に関する講座などの紹介です。

 ムーブでは、「男性学」を研究分野とする、大妻女子大学人間関係学部准教授の田中俊之さん講演会「男が働かない、いいじゃないか!」を、10月21日(土)13:30~15:00、2階ホールで開催します。

 なかなか挑発的な演題ですね。どんなお話になるんでしょう。楽しみです。もちろん、男性だけでなく、どなたでも参加できます!

 詳しい内容とお申込みは、こちらから

 

 男性の育児スキル・知識の習得のために、9月30日(土)13:30~15:30、4階工芸室・料理室で「おとこの魅力アップシリーズ 育児男子」を開催します。

 詳しい内容とお申込みは、こちらから

 

 ムーブでは、悩みや不安を誰かに聞いてもらいたい男性のための電話相談も実施しています。

 詳しくは、こちらから

 

 また、女性のエンパワーメント事業の一つとして、10月7日(土)と14日(土)の2回連続で、ともに時間は13:30~16:00、5階大セミナールームにおいて、「女性の政治参画」をテーマとした講座を開催します。海外の事例(映画での紹介含む)や福岡県内での取り組みから、女性の政治参画を考えます。

 ジェンダー・ギャップ指数においても、政治分野は、日本が大変遅れていると指摘されるところです。性別問わず関心のある方はどなたでも、どうぞ奮ってご参加ください。

 詳しい内容とお申込みは、こちらから

 

 

 それでは、次回また。どうぞ、お健やかにお過ごしください。

 

    ムーブ所長 小石 佐織