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今年もよろしくお願いします
あけましておめでとうございます。
皆さま、新しい年を迎え、いかがお過ごしですか。
今年の干支は、乙巳(きのとみ)。新たな気持ちで前を向くためのヒントは何かないかと、HPで調べてみました。
「乙(きのと)」は、植物の成長途上を意味し、柔軟性・協調性を象徴。一方、「巳(み)」は、皆さんご存知のとおり「蛇」ですが、脱皮のたびに表面の傷が治癒することから、たくましい生命力、そして植物が最大限に成長した状態を象徴するそうです。
これらを組み合わせた「乙巳(きのとみ)」は、これまでの努力・準備が実を結び始めることを示唆し、すぐに結果が出なくても、焦らず、粘り強く取り組む姿勢が重要とありました。自分のペースを保ちながら着実に前進することで、最終的には、望む結果に近づくことができるそうです。ご参考までに。
さて、今年7月、ムーブは開所30周年を迎えます。30周年を祝うムーブフェスタの実行委員会が、今月初会合を開きます。これから7か月間、フェスタの企画、実施に向けた検討がはじまります。これから逐次、その模様もお伝えしますので、関心を持って見守って、ぜひ参加してみてくださいね。
また、今年も、さまざまな講座・催しも企画・準備しています。申込みの始まっている催しをご紹介します。
まずは、2月15日(土)開催の「第35回アジア女性会議 北九州 ~人口が減少する社会でどう生きるか」。
基調講演にお迎えするのは、常磐大学・常磐短期大学学長の富田敬子氏で、国連国際人口移動統計専門家グループのメンバーでもあります。ジェンダーの視点から、アジア地域や日本の少子化・人口減少の背景や要因を踏まえて舵取りを考えます。また、タイの専門家も交えて、最新のアジア地域の人口・社会調査をご紹介いただきながら、課題を共有し、方策を議論します。
3月1日(土)には、「父と子の料理教室 ~中華で春のおもてなし」を開催します。人気の講座で、応募者多数の場合は、抽選です。
そして、何か新しいことを探している方には、ムーブ1階の図書・情報室のご利用をお薦めします。ジェンダー問題に関する図書を中心に、専門性の高いものから、読みやすいもの、児童書や雑誌まで幅広く揃っています。
何を選んでよいのかわからない方には、情報誌「MOVING」のカティング・エッジコーナーで毎号、オススメの本をご紹介していますので、参考にされてください。また、人気・話題の本は、カウンター前に並べていますので、お気軽にどうぞ。
子育て中のお父さんなど男性向けのものもたくさん揃えています。
ご利用方法は、北九州市立図書館と同様です。
ムーブでは、ジェンダー平等、女性のエンパワーメントの実現に向け、皆さまと共に学び、考えながら、焦らず、粘り強く、歩んでまいります。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
2025年1月
北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長
桝尾 美栄子
良いお年をお迎えください
早いもので、年の瀬が迫ってきました。多くの方が忙しくお過ごしのことと拝察いたします。
一方で、年末年始は、「今年は、こんなことがあったなあ」、「来年は、ちょっと新しいことを始めてみようかな」、「ずっとお会いしてないあの人は、どうされているかなあ」など、改めて、これまでを振り返り、考えるきっかけを与えてくれる時期でもあります。
そんな時、ムーブの講座も一つの選択肢としてお役に立てるように、年明けのオススメ講座をご紹介します。
1月13日(月・祝)、「自尊感情を育む性教育 ~心を生かす『性』の伝え方~」を開催します。福祉、教育、医療などの分野で、子どもに携わる仕事や活動をされている方が対象で、思春期保健相談士の徳永桂子さんをお招きし、「自分を大切に思う気持ち」を育む性教育について考えます。先着順ですので、お申込みはお早めに。
2月1日(土)、八幡東生涯学習センター尾倉分館で、男女共同参画啓発講座「あなたの魅力を引き出す! 声と話し方コミュニケーション」を開催します。毎年好評をいただいており、定員20名(抽選)ですが、年齢性別に関係なくどなたでも応募できます。会場がムーブではありませんので、お間違いなく。
今年は、カレンダーの関係で、年末年始の休暇が12月28日(土)から1月5日(日)までの9日間と、例年よりも長いという方も多いと思います。
家族・親族と一緒に過ごしたり、旧友との親交を深められたりと、大切な方と向き合う機会も増える時期。ふだんは言えない感謝などの気持ちを言葉にして伝えたり、相手の言葉に耳を傾け気持ちを汲み取ったり。コミュニケーションを大切にして、思いやりや信頼を築く機会にしませんか。ジェンダー平等は、身近で大切な人との関係から。
皆さま、心を温かくして、良いお年をお過ごしください。
ムーブは、来年も、皆さまに新しい学びや気づきを提供し、ジェンダー平等、女性のエンパワーメントの実現を目指して。皆さまと共に歩み続けてまいります。
(年末年始の休館日は、12月29日から1月3日まで)
来年も、どうぞよろしくお願いいたします。
2024年12月
北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長
桝尾 美栄子
秋の講座を振り返って
街では、木々が色づき、落ち葉が増え、夜にはイルミネーションが輝く季節になりました。目白押しだった秋のセミナーや講座などの事業も終盤を迎えます。
この秋も、さまざまな講師や参加者のおかげで、たくさんの事業を開催し、たくさんの貴重なお話しをいただいています。
そこで今回は、これまでの秋の事業を振り返って、私の心に沁みてきたお話しを、一部ですが、ご紹介したいと思います。
まずは、この秋、ジェンダー平等の推進にあたって重点を置いてきた「家族」「父親」をテーマとした事業から。
「世界の行政官とおしゃべりしよう! 家族のカタチ」(10月5日)、「木山裕策さん講演会 子育てで深めよう!家族の絆」(10月19日)では、講師やご参加の方々が、ご自身の経験を踏まえて、決意表明として、おっしゃっていたことが、心に残りました。
- 家族だからこそ言葉にできていない感謝や期待、心配などの気持ちを言語化して、忙しくても日頃からコミュニケーションをしっかりとる!
- 自分で考えて行動できる子どもに育てたい。
- 家族一人ひとりをリスペクトし、助け合い、それぞれの選択を尊重することが大切。
続いては、「女性のエンパワーメント」に関して、11月9日に開催した「ムーブカフェ」でのロールモデル川上布裕子さんのお話しから。
好きな英語を生かせる仕事を求めて転職。派遣社員として、現在お勤めの会社に携わるようになったことが転機に。契約社員から正社員、そして管理職へ。常に自然体で、現在は管理本部の広報部長でご活躍中の川上さんの言葉です。
- 新しい仕事・職場が、新しい好奇心を与えてくれ、仕事の幅が広がり、物事の捉え方も変えることができたと感じています。
- 他者は、客観的に評価をし、新たな場を与えてくれていると考え、今の「好き」にこだわりすぎず、チャレンジしてみることをオススメしたいと思います。
こんな素敵な川上さんがお勤めの会社が、株式会社YEデジタル。昨年、「北九州市女性活躍・ワークライフバランス表彰」市長賞を受賞されましたが、今年は、「第23回福岡県男女共同参画表彰 社会における女性の活躍推進部門」を受賞されました。
【評価】
・「女性にやさしい会社は、みんなにやさしい会社」風土・仕組み・環境づくり
・テレワーク環境「どこでもオフィス」
・法定の年休と別に積立休暇導入
そして、11月20日に開催した、女性への暴力ゼロ運動の特別講座「DV加害者は変われるか Part2」から。
講師は、以前DV関係にあったご夫婦で、現在はDVなどに悩む方たちのサポートをされています。好評だった昨年の続編の今回は、加害者向け更生プログラムや被害者向け回復プログラムに関して、丁寧にお話しくださいましたが、その内容は、親子など、夫婦に限らない幅広い人間関係をも考えさせられるものでした。
- 「責任」とは、自分で自分を幸せにできることであり、自分の機嫌を自分で取れること。(選択理論提唱者ウィリアム・グラッサー博士)
- 圧力をかけることで相手を変えられるという思い込みは捨てましょう。批判したり、責めたり、ガミガミ言ったり、外からの圧力で人の気持ちは変わりません。
- 幼少期から家庭や学校、社会からの外的コントロール(「否定」や「比較」などの言葉)を受け続けると、自己肯定感が低下します。弱い自分に気づかず、間違った「選択」をすると、被害者から、加害者側になる可能性があります。
これからも、さまざまなテーマで、さまざまな気づきを提供し、共に考えるきっかけとなるような事業を展開できるよう努めてまいります。
気になるテーマの事業に出会えたら、参加してみていただければ幸いです。
寒さが増していく時節柄、心も身体も温かくお過ごしになりますように。
2024年11月
北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長
桝尾 美栄子
彩り豊かな学びを
秋が深まっていきます。ムーブでは、多彩な学びのメニューをご用意しています。
まずは、女性のエンパワーメントに関するご案内から。
ご自分のキャリアを考えたい女性には、「ムーブカフェ」(11月9日(土))。自分らしさを大切にしながらも、着実にキャリアアップされている自然体のロールモデルのお話しを聞いて、女性同士で情報交換しませんか?残席わずかです。お急ぎください。
同日午後に開催のセミナーのテーマは、「協同組合と女性のエンパワーメント」。
2年前に「労働者協同組合法」が施行されたのをご存知ですか?目的は、子育て支援や介護、地域づくりなど、さまざまな課題の解決により、持続可能で活力ある地域社会の実現を促進するため。組合員が出資し、意見を反映し、共に働く、という組織のための法人です。「協同組合」という組織の選択肢が増えることで、地域での女性の活動がより活発になれば素晴らしいですね。
11月25日は、「女性に対する暴力撤廃の国際デー」です。日本では、毎年11月12日から25日までの2週間が「女性に対する暴力をなくす運動」の期間です。例年、この間、夜のムーブはパープル・ライトアップで紫色に包まれます。外壁工事中の今年は、藤棚風の電飾に計画・準備中です。
運動の一環として、11月20日(水)、「DV加害者は変われるか Part2」を開催します。加害者だった夫と、被害者だった妻の「変われた」体験をお話しいただく講座で、大きな反響を呼んだ昨年の続編です。オンラインでの受講になります(映像の会場視聴もあり)。
また、11月27日(水)には、さまざまな女性への暴力への相談を、弁護士が電話で受ける「女性への暴力ゼロ!ホットライン」を実施します。
さて次は、ムーブ映画祭。12月7日(土)、『The Son/息子』を上映します。ゴールデングローブ賞主演男優賞ノミネート作品を、ホールの大画面でご覧いただけます。作品をより深く理解していただくため、上映前には、小倉昭和館の樋口館主と臨床心理士・公認心理師の守吉氏によるトークイベントも予定しています。
「女子差別撤廃条約」ってご存知ですか?男女の完全な平等の達成に貢献することを目的として、女子に対するあらゆる差別を撤廃することを基本理念とする条約で、1979年に国連総会で採択されました。日本は、1985年に批准しましたが、その際、条約に合わせて男女雇用機会均等法を制定するなど国内法を整えました。
国連女子差別撤廃委員会が締約国のジェンダー平等の取り組みを審査し、勧告を行うという制度があり、前回の日本への勧告により、女性の婚姻年齢を18歳に引き上げる民法改正が行われています。
12月14日(土)の国際理解セミナーは、女子差別撤廃委員会委員の秋月弘子氏による、8年ぶりの日本審査(10月17日)についてのお話しです。指摘された問題などを軸に、日本におけるジェンダー平等への課題を考えます。ムーブの管理運営を行っている(公財)アジア女性交流・研究フォーラムの主催です。
続いては、12月8日(日)の「国連ウィメン日本協会北九州設立30周年記念講演会」。「国連ウィメン」は、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関で、それを支援するための日本の組織が「国連ウィメン日本協会」。その協力団体として北九州で活動している団体が主催する記念講演会です。ご登壇いただくのは、「女性の品格」など著書も多数の坂東眞理子氏と、日本協会理事長の橋本ヒロ子氏。多彩な経歴をお持ちのお二方から、幅広く、奥深いお話しをお聞きできますよ。
ご興味を持たれた催しはありましたか?いずれも無料ですので、お気軽に参加してみてはいかがでしょうか。
ご参加の事前・事後学習には、ムーブ1階の図書・情報室のご利用をお薦めします。ジェンダー関係の図書や資料など、幅広く揃っています。また、貸出用DVDは、地域や職場で研修などにも使えますよ。
それぞれの秋をご堪能ください。
2024年10月
北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長
桝尾 美栄子
秋の講座・催しのご案内
秋であることを忘れるほど暑い日々が続いています。でも、確実に、日の出は遅く、日の入りは早くなっていますし、空を見上げると、秋の雲や美しい夕焼けを目にしたりして、ふと、秋の気配を感じることも増えてきました。
秋は、学びの季節。五感を研ぎ澄ませて秋の気配を探しながら、新たな気づきを得たり、家族や友人と語り合ったりして、満たされた時を過ごしたいものです。
今回は、涼しい秋の日を待ちわびながら、ムーブの秋の講座・催しをご紹介します。
ムーブでは、ジェンダー平等や女性のエンパワーメントの視点から、さまざまな催しを行っていますが、女性のための場所だと思っていませんか?
ジェンダー平等社会は、男性と女性が共に力を合わせてつくり上げていくもの。
ムーブでは、これまでも、さまざまな男性向けの講座等を実施してきましたが、この秋、「家族」、「父親」をテーマにした講座などの事業を開催します。
まずは、さまざまな分野で活躍されている男性講師を迎え、その生き方や経験を通してジェンダー平等を考える「おとこのライフセミナー」。
毎年「北九州イクボス同盟」との共催で実施しているこのセミナーですが、今年は講師に、シンガーの木山裕策さんをお迎えして、10月19日(土)に開催します。テーマは、「子育てで深めよう!家族の絆 ~苦境に負けない! my sweet home~」。講演後には、ミニコンサートで代表曲「home」をはじめとした歌も披露していただける、参加費無料の贅沢な講演会です。男性に限らず、誰でも参加いただけます。お申込みは、9月30日(月)まで。お急ぎください。
また、ちょっと先になりますが、12月7日(土)に予定している「ムーブ映画祭」では、家族とは、父親とは、を考えさせてくれる映画を、多くの皆さんに見ていただきたいと、企画中です。お楽しみに。
そして、男性限定の講座。料理などの家事、育児など生活技術を身につけていただく講座を実施していますが、今回ご紹介するのが「介護男子 ~いざとなったらどうする?~」。11月2日(土)、10日(日)、30日(土)の全3回で開催します。
親や配偶者などの突然のけが・病等により直面し、しかも、介護者の生活が一変することもある介護。その時に頼りになる介護保険の仕組みや各種サービスなどの基本的な知識を身につけながら、男性同士で考える講座です。「転ばぬ先の杖」。基本的な身構えができていると、余分なアタフタをせずに済みますよ。
さらに、10月26日(土)には、弁護士による「男性のための(離婚に関する)無料法律相談会」を開催します。1人あたり30分の個別相談で、参加費は無料です。お申込みは、電話のみです。
【申込みは、火曜日~日曜日9:00~17:00、ムーブ相談室 093-583-5197まで】
このような事業の実施に合わせて、図書・情報室では、「家族」や「育児」などに関する図書を揃えた特設コーナーを、カウンター前に設けています。ぜひ、お立ち寄りください。
最後になってしまいましたが、10月と11月は、「福岡県ジェンダー平等マンス」です。10月5日(土)と19日(土)の2日間、ムーブが「福岡県ジェンダー平等フォーラム2024」のサテライト会場となります。
- ムーブ主催 5日:「世界の行政官とおしゃべりしよう! 家族のカタチ」
19日:「木山裕策さん講演会」(今回ご紹介)
両日は、ムーブ主催イベントの他にも、県民企画事業が開かれますので、ぜひ足をお運びください。
ムーブでの学びが、皆さまの実りある人生のための糧の一つになれば幸いです。
季節の変わり目です。体調を崩されないよう、お気をつけください。
2024年9月
北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長
桝尾 美栄子
酷暑が続きますが・・・
暑い日が続きます。35℃以上の猛暑日はあたりまえ。各地の連続猛暑日の最多記録が更新されたとの報道がしばしば。1か月以上も続く地域もあるようです。どう考えても異常気象だと思い、気象庁のホームページを見ると、ありました。「世界の異常気象」のページ。世界地図で示された、各地の異常な「高温」、「低温」、「多雨」、「少雨」など。世界がつながっていることを実感します。
涼しいはずのパリでも、36℃の日もあり、熱中症に苦しむ選手たちも出たとか。
そのパリで、「ジェンダー平等」を掲げたオリンピックが閉幕しました。出場選手を男女ほぼ同数にしたほか、各競技の決勝の日程順序についての男女平等も配慮されました。大会の「トリ」が女子マラソンになり、閉会式で行われた表彰式での女性メダリスト3人の晴れやかな笑顔が象徴的でした。
また今大会、私にとって新鮮だったのが、スケートボードやブレイキンなどの「アーバンスポーツ」。そこでは、国を越えた選手たちの交流、ライバルへのリスペクトや励まし、観客の温かい声援など、心温まる場面の数々に惹(ひ)きつけられました。
さあ次はパラリンピック。どのようなレジェンドが生まれるのか、楽しみは続きます。
さて、オリンピック、パラリンピックという世界最大のスポーツの祭典を味わったところで、今度は、地元北九州市のムーブで、国際交流をしてみませんか?
10月5日(土)、「世界の行政官とおしゃべりしよう!」を開催します。「家族のカタチ」という身近なテーマで、世界9か国の行政官の皆さんとお話ができますよ!通訳がつきますので、英語に自信のない方もご心配なく。
また、話題提供のために、3組のプレゼンターにご発表いただきます。行政官チームに加え、NPO法人ファザーリング・ジャパン九州理事の髙橋建二さんと、ユーチューバーのジェニーKファミリーです。お子さん二人も参加予定ですので、ファミリーでの参加も大歓迎。年齢も、性別も、国籍も問いません。さまざまな方のご参加をお待ちしてます。
一人親家庭やステップファミリーもあれば、高齢の親子など、「家族のカタチ」はさまざま。また、親子や兄弟姉妹、パートナーなど家族一人ひとりとの間のつながり、関わり方などにより、大げさですが、家族の文化が育まれているのだと思います。
国や世代、価値観の異なる方たちとの気軽な交流を通じて、楽しみながら、新しい気づきを持って帰っていただけたら幸いです。
新しい家族が生まれるという男性へのおススメは、おとこの魅力アップシリーズ「育児男子」(9月21日(土)開催)です。参加者同士の交流もできる人気講座です。お申込みはお早めに。
そして、家族のことに限らず、お悩みのある方は、ぜひ、「ムーブ相談室」をご利用ください。「女性のための元気アップ相談」や「男性のための電話相談」など各種ありますよ。ムーブのホームページ上部「相談したい方」をクリックしてご覧ください。
最後に、着任して2か月近くの私が今、感じていることを少しばかり。
ジェンダーは、社会的、文化的に形成された性別のこと。社会も、文化も、時代の流れとともに変わり続けますから、ジェンダーの考え方も変わっていきます。でも、気がつかないうちに、どこかで「思い込み」にとらわれていないか。アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)は、きっと、いろいろなところに刻み込まれていると思います。それが、世代間ギャップにも。
それに気づくには、やっぱり、いろいろな人のお話しを聞いたり、意見交換したりすることが大切なのだろう、とつくづく思います。
ムーブの事業に参加して、お話しをお聞かせください。皆さまとともに歩みを進めるムーブであるために、努めてまいります。
2024年8月
北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長
桝尾 美栄子
着任のごあいさつ
7月1日、前所長の小石さんの後任として着任した桝尾美栄子と申します。
7月は、ムーブフェスタの月。6日から27日まで、実行委員会の皆さまの支援のもと、さまざまな事業が企画実施され、多くの方々の思いや熱意を感じることができました。今年のテーマ「ムーブでつながり 未来を拓く」のように、皆さまにとって、ムーブが、出会い、共感し、つながり、共に歩みを進めるよりどころとなりますよう努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、ムーブフェスタ2024は、野々村友紀子さんの講演会で幕を開けました。
家庭や職場などのさまざまな場面を想定した「野々村友紀子式ものの伝え方」を、ユーモアを交えてお話しいただきました。(詳しくは、情報誌『ムービング』10月発行の104号でご紹介します。)
野々村さんのお話を聞いて、改めて気づいたこと。それは、日ごろから身近な人に、きちんと伝えることの大切さです。自分の思いが先行して押し付けになっていないか、肝心なことが伝わるくらいに具体的な話ができているか。いつも近くにいる人とのコミュニケーションには、慣れや甘えから配慮が不足しがち。常に心に留めておきたいと思います。
北九州市では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という固定的な考え方を肯定する人は、17.0%(令和4年)。平成17年の57.5%から大きく減少し、全国平均よりも、男女平等意識が高くなっています。ところが、実際に、家庭生活や職場、政治の場、社会通念など社会全体で、男女が平等だと感じる人の割合は10.7%でしかありません(全国では14.7%)。
意識は高いのに、実践が伴わない。日常の「伝え方」が影響しているのかもしれません。
ムーブフェスタの期間中、若い学生さんたちが、学びのためにムーブを訪ねてくださいました。
なかでも、青山学院大学の皆さんには、5日間にわたる「地域実習」の場に、遠路はるばるムーブを選んでいただきました。キラキラした目と、しっかりと吸収し考える姿勢は、とても素敵で頼もしかったです。
地元からは、小倉高校1年生の皆さんが、ジェンダー平等の学びを目的に。九州女子大学ESDサークルPLUMの皆さんは、フェアトレードカフェの企画・運営を目的に。そして、北九州市立大学地域創生学群ESDプロモート実習の皆さんには、高校生と結婚観について話し、多様な価値観を共有する企画を実施していただきました。
皆さん、ありがとうございました。ムーブ一同、活力をいただきました。
これからも、地元はもちろん、市外からも、若い学生さんたちにムーブをどんどん活用していただけたら幸いです。
話は変わりますが、いよいよ、パリ2024オリンピックが開幕しました。さまざまな種目の選手たちの活躍に期待が高まっていますが、この大会では、ジェンダー平等の推進にも力を入れられているようです。
「パリ2024は史上初めて男女にとって完全に平等な大会になります。パリ2024では、男子選手と同じ数の女子選手がスタートラインに立つことになります。それ自体が画期的な出来事ですが、私たちはフランスの全ての地域でも同じように反映されることを願っています。」(トニー・エスタンゲ パリ2024大会組織委員会会長)
オリンピック、パラリンピックを通じて、競技に出場する選手を男女同数にする。フランス国内の女性のスポーツ参加を促進する。大会を、ジェンダー平等の推進に活用しようという意思が感じられます。
オリンピック、パラリンピックの観戦と合わせて、ジェンダー平等にも注目しましょう。
2024年7月
北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長
桝尾 美栄子
新たなページをめくる その先を楽しみに
暑い!本格的な夏が来ると・・そう、ムーブフェスタ(7月6日~27日)が始まります。
オープニングや、キッチンカーもやってくるサマーカーニバル、パワフルなゴスペル&ダンスステージなどは前回ご紹介しましたが、それだけではありません。この期間、このフェスタに向けて、市民やNPOなどが企画・工夫した事業の数々は、楽しく学べる、文化に親しめる、味わえる、同じ関心の仲間を見つけられる、お買い物できるなどたくさんありますので、フェスタの特設サイトでチェックして、お見逃しなく!
さて、ムーブでは、情報誌『ムービング103号』を発行しました。ムーブの事業や最新のジェンダー平等(男女共同参画)の知見・取り組みの紹介とともに、読んでみていただきたい図書情報も充実しています。
冊子を手にしていただくのもよし、ウェブサイトをこちらから見ていただくのもよし。
8月2日(金)10:30~11:00には、図書・情報室にて、親子向けに絵本を読み聞かせるおはなし会を開催します。
詳しい内容とお申込みは、こちらから。
夏休みの親子で参加できるイベントもあります。
もうしないだろうと思っていた息子が結婚しました。というか、一体いつ結婚したのか、いまだにわかっていない親です。最近のやり方(じゃないかもしれないけど 笑)を「ヘえぇ」と観察しただけというか・・・
結婚しようと思うので彼女を紹介したいという第一報があったのが約1年前。ちょうど、オペラ鑑賞で上京する予定があったので、「そのついでに」横浜に住むもう一人の息子ともども二人に会いました。数か月後、日取りの良い日に籍を入れたとの連絡。もう一緒に住んでいるのか尋ねると、回答は「移行中」。「えー、なんにもないの?相手のご両親に会う機会は?」で、初めて、半年後に親族だけの式と披露宴をすると。
このやっと形になったものに出席して思ったこと:出席者のセリフや挨拶に、これまで私が出席した結婚式で耳にしてきた伝統的な女男関係を思わせるものがみごとにない。結婚した個人二人を結びつける儀式とお祝いだけ。その昔、自分の時に、母の世代の女性たちの「嫁にやる」会話に、「猫の子じゃないやい」とココロの中で憤慨したことを思い出して苦笑しました。
やっぱり、世の中、動いている。その感覚が、とても新鮮でした。
そうこうしていたら、もう一人の息子からも「会ってくれ」連絡。息子たちが人生を歩んでいくほどに、私も年を重ね人生のページをめくる。ジェンダー平等を阻むアンコンシャス・バイアスをきちんと認識して、少なくとも、次の世代に無意識の思い込みを再生産して邪魔することがないようにしようと思いました。
暑い夏を、どうぞ、お健やかに乗り切ってください。
ムーブ所長 小石 佐織
ムーブフェスタ2024!!
毎年6月23日~29日は、内閣府が定める「男女共同参画週間」です。公募で決定した今年のキャッチフレーズは「だれもがどれも選べる社会に」。
ジェンダー平等も女性活躍推進も、社会全体のありようが課題だということがよくわかるフレーズですよね。
ムーブでは、この期間、入り口のロビー付近に、ジェンダー平等に関するパネルを展示します。立ち寄って見ていただけると嬉しいです。
6月22日(土)13:30~16:30は、「女性のための離婚に関する法律基礎講座」。弁護士がわかりやすく解説します。詳しい内容とお申込みは、こちらからどうぞ。
また、6月26日(水)10:00~16:00、女性に対する人権侵害に関するさまざまな相談に女性の弁護士が電話で応じるホットラインを開設します。こちらをご覧ください。
そして7月が始まると、6日(土)~27日(土)の3週間、ムーブフェスタ2024一色!(でありたい 笑)
1995年のムーブ開所以来、男女共同参画推進について意識を高めていただくために、毎年開催している開所記念事業です。
次にご紹介するイベントのほか、市民グループ企画によるセミナー、ワークショップ、相談会、映画上映、読書会、各種文化イベント、料理教室、フリーマーケットetc.・・言いつくせていなかったらごめんなさい・・とにかく、たくさんあるんです。
特設サイト(6月1日開設)では、市民グループによる企画の詳細&チラシも閲覧できますよ。リーフレットや特設サイトでチェックして、あれこれ参加してみてください。
では、改めて、オープニングから。
7月6日(土)13:30~15:10、野々村友紀子さん講演会。芸人、放送作家、吉本総合芸能学院講師など多方面で活躍し、メディア出演も多い野々村さんが「人の心のつかみ方や人に伝わるものの伝え方」を伝授します。
詳しい内容とお申込みは、こちらから。
続いて、7月20日(土)10:30~15:30は、サマーカーニバル。今年は趣向を変えて、1階交流広場で開催します。午前の部と午後の部の間には、恒例の「行列のできる⁉ 法律相談Q&A」。クイズ形式で、弁護士らが、法律面から、身近なトラブル解決の糸口を解説します。
「サマーカーニバル」も「法律相談Q&A」も、事前申し込みは不要です。そして、この日は、なんとフェスタ初の試み、ムーブ正面玄関横に、キッチンカーもやってきます。
お楽しみに~
そして、フィナーレ。7月27日(土)14:00~15:40、イベントステージ「パワフル!ジョイフル!ハートフル!~魂の歌声 ゴスペルの祭典~」で盛り上がりましょう。300曲を超えるレパートリーを持ち国内外で活躍するTHE SOULMATICS。上津役中学校ダンス部のパフォーマンスではじまり、エネルギッシュなゴスペルのステージへ。ぜひ、お誘い合ってお越しください!
詳しい内容とお申込みは、こちらから。
それでは、ムーブフェスタ2024でお会いしましょう!
どうぞ、お健やかにお過ごしください。
ムーブ所長 小石 佐織
風薫るゴールデンウィーク!
うちのテレビはまだ4K対応ではありません。たぶん、ケチな私は、画質よりも「使えるところまで使ってぇ」でいくと思います(笑)。最近、1960年代や70年代の、例えば、指揮者カラヤン時代のベルリン・フィルのクラシック・コンサートの映像など「4Kで蘇(よみがえ)る」お題目を、4Kじゃないテレビでお目にかかることも多いです。
真っ先に思うのが、この頃のオケは男性ばかり。まあ、燕尾(えんび)服の統一感はありますが(そして、私は男性の華やかな燕尾服姿が好きですが)、最近の女性の演奏家、コンサートマスター、指揮者の活躍など、この頃、だれが予測したでしょう。世界3大オーケストラの1つ、オランダのコンセルトヘボウなど、今や、第一ヴァイオリンは女性ばかりじゃないかと思うくらい。日本のN響(NHK交響楽団)でも、たくさんの女性演奏家が活躍していますね。最近のヨーロッパの歌劇場では、オペラの指揮者に意識的に女性を登用しているようにも感じます。
世の中は、確かに動いている、それも速く・・
さて、ムーブでは、7月の「ムーブフェスタ2024」に向けて、メインの市民企画事業の内容も固まり、スタッフ一同張り切っています。応募してくださった皆さま、ありがとうございました。ぜひ、一緒にフェスタを盛り上げていきましょう!
5月18日(土)14:00~15:30には、男女共同参画啓発講座「女性議員はなぜ増えないのか?」を開催します。講師は、Stand by Women代表の 濵田真理さん。
私は、アガサ・クリスティの小説が好きで、ミス・マープルやポワロがドラマになったのを見ていると、両大戦の前後だったと思いますが、女性解放運動家たちが、「我々は、(選挙権も相続権もなく)いつまでSecondary Citizen(2次的な市民)に甘んじているのか?」と街頭演説をしているシーンがありました。・・おっと、またしても話が横道に・・・
政治への無関心は、昨今の投票率の低迷に照らしても、社会全体の課題。若きも成熟層も女性も男性も、誘い合ってご参加ください。
詳しい内容とお申込みは、こちらからどうぞ。
5月31日(金)14:00~15:45、3月にニューヨークで開催された「第68回国連女性の地位委員会(CSW68)」の内容を、アジア女性交流・研究フォーラム理事長の堀内がわかりやすく説明するセミナーを開催します。
また、CSWの開催期間中には、その周辺で、世界のさまざまなNGOが自分たちの主張を届けるために開催する「パラレル・イベント」もあります。これに日本から参加した(一社)あすにはグローバルチームが、「あなたの名前は?~選択的夫婦別姓とジェンダー平等~」と題して発表します。
ジェンダー平等を進めるために、国際社会との連携は不可欠です。このセミナーで国際基準の最新情報をぜひ仕入れてください。
詳しい内容とお申込みは、こちらからどうぞ。
6月22日(土)10:30~12:00は、働く女性のための「ムーブ・カフェ」。㈱スターフライヤー執行役員 経営企画本部副本部長 兼 財務経理部長の南聡子さんを講師に迎え、女性同士でキャリアについて考える情報交換&交流会です。
詳しい内容とお申込みは、こちらから。
また、就労支援講座として、6月6日~7月23日、全12回、「介護事務管理士技能認定」の資格取得を目指す「介護事務講座」(有料)を開催します。性別問わず、どなたでも受講できます。
詳しい内容とお申込みは、こちらから。
*上記3つの講座は、託児(有料)もあります。
ところで、この時期になると、毎年、「イコール・ペイ・デイ=Equal Pay Day(EPD)」が話題になります。
EPDは「女性が、男性の1年分と同じ賃金を手にする日」を意味し、男性が1年間働いて得られる賃金の総額と同額を得るのに、女性は1年を超えて翌年のいつまで働く必要があるか、その同額となる日を示したものです。働く女性の国際ネットワーク組織である国際BPW(Business and Professional Women)が行っている、男女の賃金格差を可視化するための取り組みです。
今年の日本のEPDは、5月2日だそうです。昨年は4月28日だったので、やや後退しました。男性より4か月と2日長く働かないと、同じ額の賃金を手にできない。日本のジェンダーギャップ指数は、先進国でも最低レベルの世界125位。政治・経済分野の格差解消が大きな課題となっているので、このEPDもわかりやすい指標ですね。
それでは、楽しい飛び石連休を!
どうぞ、お健やかにお過ごしください。
ムーブ所長 小石 佐織