アーカイブ

11月を振り返って

投稿者:所長 2016年12月01日

 

%e5%9b%b315

 

  夏のムーブフェスタが終わり秋になると、様々な主催事業がムーブで実施される。今月のブログは、「11月を振り返って」ということで、11月のムーブの様子をお伝えし、日頃のムーブの活動を知っていただきたいと思う。

 

●5日(土)ケアメン教室第4回、19日(土)ケアメン教室最終回 

  9月24日にスタートしたケアメン教室は、19日最終日を迎え、講座を振り返っての意見交換を行った。応募が少なく苦労したが、参加者全員が受講してよかったと評価で一安心。「介護をどう受け止めたらよいのか、語っていかないといけない。」、「実技が為になった」という意見や、「介護するときに、自分の感情がセーブできない」と家族介護の難しさなど、これからも継続して実施していこうと改めて確認できた。

 

●12日(土)内閣府の「女性に対する暴力ゼロ運動」と連動して、特別講座「ストーカーは何を考えているか?」を実施。

  ストーカー事件の報道に接する度に、加害者のことをもっと理解しなければとの思いから、NPOヒューマニティ理事長小早川明子さんの講演が実現した。ストーカー被害者のツイッターへの書き込みからの説明は、①リスク(可能性)から②デンジャー(危険性)、そして③ポイズン(有毒性)とエスカレートする様がリアルに伝わってきた。②デンジャーでは、第三者の介入、③ポイズンでは、ただちに警察の助けを求めるべきと解説。「ストーカーの心理レベルの危険度とその対応」は、ストーカーに関わる対人援助職者にとって重要な内容であった。

  17日(木)は、福岡県弁護士会北九州部会との共催「女性への暴力ゼロホットライン」で、DVなどの電話相談にも応じた。

 

●5日(土)から19日(土)の土日は、女性起業家支援塾

  これから起業を目指す方や、既に起業されている方も含めて16名が参加。チューターのアドバイスを熱心に聴く受講生や、受講生どうしの情報交換もにぎやかで、セミナー室はいつも活気があった。特に事業計画書の作成は大変役に立ったとのこと。

 

●20日(日) 男女共同参画講座「古美術の世界に魅せられて」

  『開運!なんでも鑑定団』でおなじみの安河内眞美さんによる、これまで、女性鑑定士として生きた道についてのお話。ガラスに入っていない実物を見て、手に持ち、その重さやさわった感触で良いものかどうかを感じる。本物偽物の判断の基準は、これまで自分の中にためこんだものが基準になるということだった。「自分の中に溜め込む」、ちょっと気に入った言葉だ。

 

●26日(土)おとこの魅力アップシリーズ「緑茶男子」

  今年度からは「男性の魅力アップシリーズ」をスタートし、男性向け単発講座を拡充。今月は、日本茶の普及と小倉を世界に知ってもらおうと店舗の海外展開を進めている、辻利茶舗店主の辻利之さんが講師の緑茶の魅力を学ぶ講座。男性の皆さんの熱心な姿に圧倒された。

 

  11月は、ムーブ叢書『職場におけるハラスメント(仮)』の防止啓発冊子の作成作業も、まとめの段階に入ってきた。もっと、読みやすい内容にしたいと検討会のメンバーと知恵を絞った。

  

  その他、(公財)アジア女性交流・研究フォーラムの事業も16日(水)は、「KFAW仙台スタディツアー2016~東日本大震災から学ぶ、男女が共に取り組む地域防災~」の事前学習、成果は来年報告書にまとめる予定です。

  26日(土)「第27回アジア女性会議―北九州」では、「“誰一人取り残さない”世界の実現SDGs~(持続可能な開発目標)の達成のために何ができるか」をテーマに、地球レベル、アジア・太平洋レベル、日本、北九州市の視点から、それぞれ各分野で活躍されている方々を迎え実施した。

 

 

  この1ヵ月を振り返り主な事業をご紹介したが、1年を通じて、様々な視点や課題を踏まえ事業を実施している。男女共同参画社会の実現には、一歩一歩地道に、ひとつずつ、継続的に積み重ねていかないといけないと思っている。

 

 

男性の家事参加には妻がキーパーソンか?

投稿者:所長 2016年11月01日

 fall

 

 先月28日に、内閣府主催の「男女共同参画会議 男性の暮らし方・意識の変革に関する専門調査会」に参加した。

 ムーブで、男性向け講座を多数実施していることからお声がかかったようである。28日のプレゼンでは、ムーブの「エプロン男子」「片付け男子」などのおとこの魅力アップシリーズ、「ケアメン養成講座」などの男性向け講座のほか、北九州市でこれまで取り組んできたワーク・ライフ・バランスの推進についても説明させていただいた。

 

 さらに、地域性を踏まえての議論として、平成23年度の「北九州市の男女共同参画社会に関する調査」では、「性別による固定的役割分担意識」の解消に向け変化が見られるが、「家庭生活における男女平等達成感」について、平等と思っている割合は、前回(平成17年度)の意識調査から変化がなく、全国の調査の半数には、まだまだ追いついていない状況である。(下グラフ参照)

%e6%96%b0%e3%81%97%e3%81%84%e7%94%bb%e5%83%8f-3
%e6%96%b0%e3%81%97%e3%81%84%e7%94%bb%e5%83%8f2

 男性向け講座でのアンケートでは、「妻の大変さがわかった」「これから料理や洗濯、アイロンなど家事をするきっかけになった」と多くの方々がおっしゃっている。これまでの家事分担の偏りに気づくとともに、行動に移そうとしている様子がうかがえる。

 

 受講生も、例えば「エプロン男子」では、昨年度までで、延べ528人(実353人)の方々が受講されているので、これを継続して、積み上げていくことで徐々に変化が起こってくるものと期待している。

 

 しかし、家庭生活で平等達成感を感じる妻が増えるにはどうすればいいのかと思っていていたのだが、大変面白い現象に気づいた。

 

 我が家の例で恐縮だが、かつて我が家は3世代の家庭で、夫はな~んにも家事をせずに長らく暮らしてきた。けれども、最近、「隗より始めよ」と、私も一念発起、まず、ゴミ出し(共働きでは夫がする家庭が多いと聞く)、洗濯干しなど、徐々に役割の見直しをしている。その中で、野菜の高騰から、格安で地元の野菜を販売しているお店を見つけたことから、そのお店の近くに行った折には、野菜を買ってきてもらうようにした。

 そんな折、遠隔地で生活している娘からの電話に対する夫の第一声に笑ってしまった。

「そちらでは野菜は高くないのか」と。

 まさに、買い物が彼の生活の一部、自分のものになっていると思った。

 妻が夫に積極的にやってもらわないといけない。これまで、面倒で、私がやった方が早いのであまりアプローチしていなかった。それが、自立していない夫をつくってしまっていると反省しきり。

 ゴミ出しも板についてきて、ゴミ回収日には、起床したら直ちに準備にかかって、家中のゴミを回収して回っている。

 干し方も“しわしわの状態”が少しずつ改善している。

 

子どもの教育といっしょで、やらせてみることが、大変重要であることがわかってきた。どう夫にアプローチするかを考えないといけない。

男性の家事参加は、妻がキーパーソンではないかと思っている。

ハノイ スタディツアーで思ったこと

投稿者:所長 2016年10月05日

4

 

 (公財)アジア女性交流・研究フォーラムの事業で、9月6日(火)から10日(土)まで、ベトナムのハノイを訪問しました。フォーラムでは、アジアのジェンダー関係機関等と、一過性でなく恒常的なネットワークの構築を目指しています。その一環として、ハノイ女性連盟とも交流を続けていますが、今回、ハノイ女性連盟のご協力でこのツアーが実現しました。

 

 今回は特に、女性の視点からベトナムの人々の家族や生活を視察しようということで、ハノイの家庭を、3グループに分かれて訪問しました。

 

 私が訪問したのは、4世代9人家族のクックさんのお宅。最長老のおばあさま、その長男ご夫婦と長女の方が、笑顔で迎えてくださいました。ずっと昔からの知り合いだったかのように、暖かいおもてなしでした。

 

 6代80年続く家族で、壁には、「大家族を幸せにしましょう」、「子どもや孫たちを大切にしましょう」という意味だという家訓が掲示されていて、伝統的家族を守っているし、これからも守って行きたいと、おしゃっていました。他のグループの家族も4世代の家族で、どの家族も家族を大切にされている様子です。

 

 さて、ベトナムでは女性の労働力率が高く、訪問した家庭はどの家族も共働きでした。街中では、路上屋台や食堂、小売店でも多くの働く女性の姿を見かけました。

 

 これらの働く女性を支える制度として、保育園は18ヶ月から3歳児までが入園でき、2歳児から小学校入学までは幼稚園があり、もっと小さな幼児には、小規模保育施設があるそうです。

 なによりも、女性の就労を支えているのは、家族の支えのようです。リタイアした両親が家事や子育てを担ったり、「おしん」といわれるお手伝いさんのいる家庭もあって、現役世代の女性は働きやすくなっています。ハノイでは、それぞれ仕事を持って(持っていた)経済的に自立した個々の家族のメンバーが互いを支えあっているようです。

 

 日本ではどうでしょう。戦後の高度経済成長の中で、「安定的に雇用された男性と家庭責任を担う女性」とう性別役割分業のもとに、近代家族モデル(夫婦とその子どもからなる家族)が生まれました。しかし、現在では、この近代家族モデルが主流ではなく、夫婦二人の家族、単身家族、ひとり親家族も増え、家族形態も多様になってきています。

 これからは、どれか特定の家族形態を標準、望ましい家族像とするのではなく、個人一人ひとりが自立し、対応な関係を保障しつつ、互いを尊重する家族を模索していくことが必要になってきていると思います。今回ハノイの家族を訪問し、お互いが自立し、かつ支え合う家族の姿を見て大いに学ぶことができました。

 

 さらに、羨ましかったのは、夕食は家で食べているのだけど、毎日の食事のうち朝食や昼食を外食する習慣です。家事・育児・介護と仕事との両立とが難しい日本の働く女性のことを考えるとき、ベトナムの外食の習慣は大いに参考になると思いました。

 

2

 

1

「何でも見てやろう」の精神で・・・

投稿者:所長 2016年09月21日

 

6058_s-450x33722226058_s-450x3372222

 

     「ムーブの所長だったら、フェイスブックぐらいやらないと!」職員の一言で、一念発起。やり始めて見ると、「こんな世界があるの」とびっくりしている。居ながらにして、いろいろな情報や知見に触れることができる。また、そこには、行政に頼らず、まちづくりや社会活動をSNSを活用して実践している人がいる。そのようなことをフェイスブックの中に見て、世の中随分変わってきていると思っている。

 

 そう思っていた時、SNSをフル活用し、北九州で革新を起こしている方がムーブを訪ねて来られた。SNSに、face to faceをプラス、さらに、社会に貢献する志を加えて活動をしているということだった。

 

 また、先日サイボウズ(株)の青木社長の講演で、サイボウズでは兼業を奨励していることをお聞きした。兼業禁止という公務員の社会のルールで仕事をしてきたので、そんな時代になったのかと驚いている。

 

 パラレルキャリアということも提唱されている。一人の人間が3枚、4枚と複数の名刺を持って様々なプロジェクトや仕事にかかわる。そのような働き方が新しい時代に重要になり、スタンダードになる。一生涯、一つの仕事だけに従事することは、ほぼありえない状況になっていて、仕事における価値観も変化し、いかに自分を磨き、自分自身が幸福になり、社会に貢献できるかという軸にシフトしているという。

 

 何だか、世の中、次の新しい社会へ動き始めている気配を感じる。

 

 私と同じ世代の人には、読んだことのある人も多い小田実さんの著者に『何でも見てやろう』という本がある。若い著者が貧乏旅行をしながら、世界各国で感じたことをしたためた紀行。若いころワクワクして読んだ気持ちを思い出している。もう一度、若いころを思い出して、「何でも見てやろう」と、そして、「なんでもやってやろう」精神で、世の中の変化について行こうと、新しい時代の息吹を感じて、ちょっと楽しい気分になっている。

熊本地震被災地を訪ねて

投稿者:所長 2016年08月01日

 

3seasonframe02_a05

 

   先月、熊本市男女共同参画センターのご案内で、熊本地震の避難所を訪問した。

いくつかの避難所を訪問したが、その中で、益城町の小学校の避難所が特に印象に残っている。

 避難所になっている体育館に入ると、間仕切りのカーテンが、すべて、開かれていて、体育館全体が明るく、風通しもよく、それまで、狭いスペースを間仕切りで囲んだ避難所を見てきたので、かえって、その避難所の開放感に強く印象付けられた。

 

 責任者の吉村さんから説明をお聞きし、かなり自立した運営ができていることに感心させられる。

 避難所生活の当初は、他県の行政職員の方々がトイレの掃除をやってくださっていた。「やってもらっていいのかなー?」吉村さんが少しずつ声をかけていき、いまでは避難者自身がトイレをピッカピカに掃除するようになった。

 また、激しい雨で、体育館に雨が吹き込んできたときには、小学生までが手伝って対応したのだと。

 昼間のカーテンのオープン化、子どもたちが勉強できるようにと学習室の設置、くつろいでお茶が飲めるリビングのようなコーナーまであり、突然の訪問者の私達にまで避難者の方がお茶を入れてくださった。

 

 必要なことを避難者自らが考えて行動する、そんな運営ができてきているように思った。そこには約20年間もまちづくりに携わってきた吉村さんの存在が大きい。

 これまでの震災の経験で語られていることに、一時避難所から集約避難所、集約避難所から仮設住宅、そして自宅での日常生活に向けて、 やってやる支援ではなく、避難者の自立に向けた支援の重要性がある。

 

 吉村さんというリーダー、それも頼もしい女性リーダーの存在で、避難所の中でも、早々と自立した運営が出来ている。被災された皆さんが、早くそれぞれの日常生活を取り戻してほしい。できることがあれば応援をしたいと思っている。

ムーブフェスタ2016~かがやく世界へ扉をひらく~

投稿者:所長 2016年07月01日

aaaacb6a2dbac465ea0e7d32ecea2442ca07

 

 7月は、開所記念事業『ムーブフェスタ』の月です。ムーブは、今年で開所21周年を迎えました。

 私が所長となって4回目の開催になります。

 7月2日から23日まで3週間にわたって実施し、市民の自主的な研究・実践活動を積極的に支援する市民企画事業を中心に、講演会、イベント等の多彩な事業を行います。

 

 まず、明日7月2日はオープニングの講演会。NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の脚本家の大森美香さんをお迎えしての講演会です。

『あさが来た』には、幕末、明治、大正の女性が表舞台に出ることが難しい時代であっても、強い信念を貫き、道を開いていった白岡あささんの姿が描かれています。大森美香さんの『あさが来た』への想いや、子育てをしながら脚本家として活躍されているご自身の生き方についてもお話しいただきます。

 

 そして、7月9日は、『クッキングパパ』の作者、「うえやまとちさんのトークショー」があります。さらに、うえやまとちさん考案“おにぎらず”のレシピコンテストの表彰式も同時開催します。皆さまから応募いただいた“おにぎらず”を実際に料理し、審査をしましたので味についても保証付です。

 

 その他、ジェンダー問題調査・研究報告会「海運業界における男女共同参画推進のための研究」、サマーカーニバル、国連ウィメン日本協会北九州 講演会(全日本おばちゃん党代表代行 谷口真由美さんの講演)も開催されます。

 

 なんといっても、ムーブフェスタの特徴であり、魅力は、多彩な市民企画事業です。今年は昨年を上回る116の市民企画事業が開催されます。講演会、シンポジウム、映画の上映、コンサート、フリーマーケット、サマーカーニバル、いずれも力のこもった企画ばかりです。

 

 是非、期間中、何度でもムーブにお越しください。

内容は、下記のホームページで見ることができます。

皆さまのご参加を、心よりお待ちしています。

 

                                 http://movefesta.kitakyu-move.jp/

新しい画像 (5)

男子厨房に入るべし

投稿者:所長 2016年06月01日

図1

   

   4月から「女性活躍推進法」が施行され、国や地方自治体、労働者301人以上の企業に対して、女性の活躍推進に向けた行動計画の策定が義務付けされることになりました。

 

   また、国の第4次男女共同参画計画の第1政策分野には、「男性中心型労働慣行等の変革と女性の活躍」が位置づけられています。その背景には、働く場面では、勤続年数を重視した年功序列型の処遇で、長時間労働や転勤があたり前、男性中心型の働き方の労働慣行が依然として根強いということがあります。

 

   男性中心型の働き方の中、家庭では育児・介護・家事等のほとんどを担っているのは女性という現状で、育児・介護・家事等と両立しつつ女性が能力を十分に発揮することが思うようにできないことがあります。

 

   これからは、男性中心型の労働慣行にメスを入れることは欠かせませんが、男性自身の家庭生活や地域活動への参画を進めていく取り組みも欠かせません。男子厨房に大いに入って欲しいものです。生活の仕方が変化することで、その意識も変わっていきます。

 

   興味深い調査がありますのでご紹介しましょう。オウチーノ総研が昨年実施した「夫と料理」に関する実態調査です。調査によると『既婚男性約8割が、「男子厨房に入るべからず」を否定』、『既婚男性の約2割はほぼ毎日、約半数は週に1回以上、料理をしている』という結果が出ています。育児・介護・家事等の経験は、多様な価値観や多様な人々と交流が可能となり、マネジメント力の向上にも繋がり、仕事を行う上でもプラスになります。

 

   頭で考えてもなかなか変わらない、まずは生活から変えていきましょうということで、ムーブでは「生活技術」の習得を目指して、平成23年度から「エプロン男子」講座を実施しています。

「エプロン男子」受講生のアンケートから少しご紹介しましょう。

・料理に関心を持ちました。家族にふるまっています。

・今まで台所に立つことさえ嫌だったのですが、ハンバーグを作って喜んでもらえたのが嬉しかったので、まだ好きではないですが、料理に抵抗がなくなりました。

・料理は女房まかせでしたが、難しさ大変さがよくわかりました。今まで以上に協力体制をとりたいと思います。

 

   この他にも、平成25年度からは「ケアメン養成講座」を実施し、「ケアメンのつどい」という修了生が集まる場ができました。

   平成26年度には「洗濯男子」、平成27年度は、「アイロン男子」、平成28年度は、「片付け男子」と男子シリーズも充実しています。レディスもじでも「裁縫男子」を今年度は実施する予定です。

   これらの講座にはいつも定員を上回る申し込みで、中には1講座の予定を2講座に増やして実施しています。

   参加される年齢は、60代が一番多く、50代、40代、30代、20代、70代の方々の参加も見られます。

 

   その他、父子で参加する、「父と子の食育講座」は平成11年度から実施しています。未だに大人気の講座です。

 

   これからも、男性が育児・介護・家事をするハードルが低くなるよう、男性だって、育児・介護・家事があたり前になるよう、そして、性別による固定的役割分担意識がなくなるように、発信していきたいと思っています。

エプロン男子初級写真

【エプロン男子】

熊本地震への支援 ~被災地外から被災地へ~

投稿者:所長 2016年05月06日

kurowaku4

 

 先月14日夜、大きな揺れを感じて、咄嗟にテーブルの下へ。北九州市でも震度3。翌日の夜中にまた、携帯の「地震です、地震です」で飛び起きて一晩中、テレビにかじりついて地震情報を見て過ごしました。

 被害は熊本から大分まで広がり、南阿蘇の友人を訪ねたときに通った阿蘇大橋まで崩落。大変心が痛みます。被害を受けられた皆さまには心よりお見舞い申し上げます。

 

 昨年4月の所長ブログでご紹介しましたが、全国女性会館協議会が中心になって「大規模災害時における男女共同参画センター相互支援システム」を構築し、インターネット上に情報プラットホームを立ち上げています。

 

相互支援イメージ図

 

 今回の熊本地震では、災害発生の翌朝からインターネット上で情報共有・交換がスタートしました。

多くのセンターから被災地のセンターへ、お見舞いと協力の申出、支援物資が送られています。

 その中で、全国女性会館協議会では、会員館からの義援金をプールして一本化し、被災地の男女/女性センターにお届けすることにしました。ムーブ、レディスもじ、レディスやはたでもその呼びかけに呼応し、先月22日から窓口に募金箱を設置しています。皆さまのご協力をお願いいたします。

 

また、インターネット上の情報交換の場を利用して、

・新潟県の中越地震・中越沖地震の際の経験から、避難所でのプライバシーの確保やルールづくり、運営には必ず女性のリーダー格の人を入れること。

・東日本大震災の経験から、センター職員も被災者であり、被災地のセンター自身が「やろう」と思えることだけを、自分たちのペースで実施すること

など、貴重なアドバイスが送られています。

 

このような中、現在“熊本市男女共同参画センター・はあもにい”では、

◆女性や子どもへの暴力防止の啓発ちらしの避難所での配布

◆オフィスでの業務が困難という方のための、サテライトオフィスの設置

◆ちょっと、家や避難所から離れホットされたいお子様お持ちの保護者の方への幼児室の開放
などに取り組まれています。

 

まだまだ余震が続き安心はできませんが、支援もその時々の被災地の状況に合わせた支援が必要になると思います。全国の男女/女性センターとも協力しながら、ムーブでもできることがあれば支援してまいりたいと思っています。

 

DSC_2513

『ただいま、女性活躍中!これからの実践手引き』を発刊しました。

投稿者:所長 2016年04月01日

ライン小鳥

 

 28年度がスタートしました。

 27年度末をもって去られたスタッフの方々は、多くの実績を残していかれました。そして、新たに来られたスタッフは、ムーブに新しい風を吹かせてくれることでしょう。

 さて、私も、ムーブ所長4年目に入ります。開かれたムーブを目指して、皆さまに楽しくご利用いただけるよう努めてまいります。

 

 さて、今日は、昨年度末に完成した『ただいま、女性活躍中!これからの実践手引き』をご紹介します。

 ムーブでは、平成26年度に「北九州市における女性の活躍推進実態調査」を行いました。この実態調査は、女性の活躍推進を加速していくために、市内の事業所で女性の活躍に関して、どのような取り組みが行われているのか、その実態を明らかにしようと実施したものです。

 その結果、女性活躍推進の取り組みについて、半数近くの事業所が取り組みを行うことにしているとの回答がありました。しかし、「今のところ取り組む予定はない」という事業所が約半数で、事業所間で格差がありました。この結果を受けて、平成27年度は、女性活躍推進の進め方のヒントとなる先進企業の取り組みを紹介した冊子を作成することにしました。

 

 その冊子が『ただいま、女性活躍中!これからの実践手引き』です。

 読めばわかる、今すぐにでも取り組める、女性の活躍推進の好事例集です。各企業が女性活躍推進の取り組みに当たって、マニュアルとして使えるようになっています。

 経営者、人事担当者、管理職、女性社員自身のそれぞれの立場からの取り組みを紹介しています。

 例えば、

 人事担当者編として、

Q 何から手をつければよいのでしょうか?

A 専門部署を設け、数値目標と中長期行動計画を策定した、北九州市役所の事例

 

 管理職編として

Q 女性社員の自律的なキャリア形成を支援する方法とは?

A 先輩が若手社員の相談に応じる「メンター制度」を導入した、西部ガス北九州支社の事例など11社の事例を紹介しています。

 

 また、女性の力を商品開発などの新たな価値創造に上手につなげた先進事例として株式会社ごとう醤油など3社を紹介しています。

 この冊子には、各社が女性活躍推進の一歩を踏み出す多くのヒントが示されています。ぜひ、ご活用いただきたいと思います。

 ご希望の方はムーブまでご連絡ください。

 

 こちらからウェブブックをご覧いただけます。

 

ただいま、女性活躍中(表紙)

小倉昭和館 3代目館主 樋口智巳さん

投稿者:所長 2016年03月01日

フィルム桜

 

 2月13日(土)は、ムーブ・レディス映画祭、ムーブとレディスやはた、レディスもじの3館連携事業で、昨年に引き続いての映画祭でした。今年度は「前向きに生きる女性の姿」がテーマ。ムーブは『ミス・ポター』、レディスもじは『くじけないで』、レディスやはたは『折り梅』。どの映画もたくさんの方々に参加していただき大好評でした。

 

 ムーブでは、上映に先立ち、小倉昭和館の館主 樋口智巳(ひぐちともみ)さんにお話をしていただきました。

 今回は、3代目として、小倉昭和館を守ろうと奮闘する樋口さんのことや小倉昭和館のことをご紹介したいと思います。

 

 小倉昭和館は、1939年、芝居小屋として開館し、今年で創業77周年。娯楽のない時代に「人々の喜ぶ顔が見たい」と樋口さんの祖父が始めました。片岡千恵蔵、阪東妻三郎、長谷川一夫など多くの役者さんと親交があり、特に片岡千恵蔵さんとは親友のような間柄で、1953年の北九州大水害の時には、心配した京都の千恵蔵さんから電話があり、状況を聞いた千恵蔵さんは「今から四条河原町に行って街頭で北九州の為に募金活動をする。」と言って、本当にしてくださったそうです。

 

 戦後、芝居小屋から映画館に改装し、1955~1960年頃の映画全盛期には、小倉昭和館のほかに日活館、松竹富士館、木町東映の4つの映画館を運営するように。富士館を除く3館の合計で1日1万人のお客様が押し寄せた日もあり、金庫も満杯で鑑賞料のお金を一斗缶に詰め込んで保管したこともあったということです。

 

 しかし、時は流れ、映画は斜陽の時代に。小倉昭和館以外の3館は閉館、昭和館も半分をパチンコ店に改装。その後、1982年にはパチンコ店を辞めて「小倉昭和館1号館、2号館」体制に改装し、子ども向けアニメのヒット等で何とか経営を継続。

 

 近年は、シネコンの台頭で2003年には昭和館以外、北九州市内の映画館は全てシネコンになっていきました。このような厳しい環境の中、小倉昭和館は独自の路線で運営。シネコンと同じタイミングで同じ新作を上映しても太刀打ちできません。2本立てにこだわり、シネコンが上映しなかった作品「北九州初公開」の作品を積極的に上映しているということです。

 

 映画館は十数年間赤字で、他の部門の利益の補填でなんとか運営しているという状況。「映画館は”家業”守っていきたいと思っている。」その気持ちを決定づけたのが、高倉健さんからの手紙でした。健さんの遺作『あなたへ』にエキストラ出演した際に、小倉昭和館でも高倉健特集を行っていたことをご存知で、「私の映画を上映してくれてありがとうございます。」と言って握手をしてくださった。

 その後、健さんにお目にかかれたお礼と、映画館を継続させるかどうか悩んでいるとお手紙すると、健さんからのお返事がきました。「現実は厳しいと思いますが、どうぞ日々生かされている感謝を忘れず、自分に嘘なく生きてください」と…。その手紙でこのまま映画館を続けようと、決意を新たにされました。

 

 お客さんに楽しんでもらえるにはどうすればよいのか。上映作品の監督や原作者、出演者の方々のシネマトークや舞台挨拶を企画したり、上映作品にちなんだ食品を販売しています。コーヒー焙煎世界大会優勝者の協力で小倉昭和館オリジナルブレンドコーヒーも製作販売しました。

 また、西鉄バス、清張記念館、北九州市立文学館など、さまざまな団体とのコラボレーションも積極的に展開。北九州マラソンにちなんだ映画やマラソンランナーのトークショーなど斬新な企画は尽きず、館主樋口さんの小倉昭和館から目を離せません。

 劇場のレンタルや、デートで貸切なんてこともできるそうです。

 

 映画好きの私としては、もっと書きたいのですが、今回はこれまでです。

 

 

樋口