秋の講座を振り返って
街では、木々が色づき、落ち葉が増え、夜にはイルミネーションが輝く季節になりました。目白押しだった秋のセミナーや講座などの事業も終盤を迎えます。
この秋も、さまざまな講師や参加者のおかげで、たくさんの事業を開催し、たくさんの貴重なお話しをいただいています。
そこで今回は、これまでの秋の事業を振り返って、私の心に沁みてきたお話しを、一部ですが、ご紹介したいと思います。
まずは、この秋、ジェンダー平等の推進にあたって重点を置いてきた「家族」「父親」をテーマとした事業から。
「世界の行政官とおしゃべりしよう! 家族のカタチ」(10月5日)、「木山裕策さん講演会 子育てで深めよう!家族の絆」(10月19日)では、講師やご参加の方々が、ご自身の経験を踏まえて、決意表明として、おっしゃっていたことが、心に残りました。
- 家族だからこそ言葉にできていない感謝や期待、心配などの気持ちを言語化して、忙しくても日頃からコミュニケーションをしっかりとる!
- 自分で考えて行動できる子どもに育てたい。
- 家族一人ひとりをリスペクトし、助け合い、それぞれの選択を尊重することが大切。
続いては、「女性のエンパワーメント」に関して、11月9日に開催した「ムーブカフェ」でのロールモデル川上布裕子さんのお話しから。
好きな英語を生かせる仕事を求めて転職。派遣社員として、現在お勤めの会社に携わるようになったことが転機に。契約社員から正社員、そして管理職へ。常に自然体で、現在は管理本部の広報部長でご活躍中の川上さんの言葉です。
- 新しい仕事・職場が、新しい好奇心を与えてくれ、仕事の幅が広がり、物事の捉え方も変えることができたと感じています。
- 他者は、客観的に評価をし、新たな場を与えてくれていると考え、今の「好き」にこだわりすぎず、チャレンジしてみることをオススメしたいと思います。
こんな素敵な川上さんがお勤めの会社が、株式会社YEデジタル。昨年、「北九州市女性活躍・ワークライフバランス表彰」市長賞を受賞されましたが、今年は、「第23回福岡県男女共同参画表彰 社会における女性の活躍推進部門」を受賞されました。
【評価】
・「女性にやさしい会社は、みんなにやさしい会社」風土・仕組み・環境づくり
・テレワーク環境「どこでもオフィス」
・法定の年休と別に積立休暇導入
そして、11月20日に開催した、女性への暴力ゼロ運動の特別講座「DV加害者は変われるか Part2」から。
講師は、以前DV関係にあったご夫婦で、現在はDVなどに悩む方たちのサポートをされています。好評だった昨年の続編の今回は、加害者向け更生プログラムや被害者向け回復プログラムに関して、丁寧にお話しくださいましたが、その内容は、親子など、夫婦に限らない幅広い人間関係をも考えさせられるものでした。
- 「責任」とは、自分で自分を幸せにできることであり、自分の機嫌を自分で取れること。(選択理論提唱者ウィリアム・グラッサー博士)
- 圧力をかけることで相手を変えられるという思い込みは捨てましょう。批判したり、責めたり、ガミガミ言ったり、外からの圧力で人の気持ちは変わりません。
- 幼少期から家庭や学校、社会からの外的コントロール(「否定」や「比較」などの言葉)を受け続けると、自己肯定感が低下します。弱い自分に気づかず、間違った「選択」をすると、被害者から、加害者側になる可能性があります。
これからも、さまざまなテーマで、さまざまな気づきを提供し、共に考えるきっかけとなるような事業を展開できるよう努めてまいります。
気になるテーマの事業に出会えたら、参加してみていただければ幸いです。
寒さが増していく時節柄、心も身体も温かくお過ごしになりますように。
2024年11月
北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長
桝尾 美栄子