1年を振り返って
もう12月。「また来た。もう来た。お年玉用意したのはついこの間だったのに~」と思われている方も多いのではないでしょうか(笑)
先日、若手新進気鋭の指揮者クラウス・マケラ率いるオスロ管弦楽団とピアニスト辻井伸行コンサートに行く機会がありました。ご存じのとおり、辻井伸行さんは視覚障害をものともしない卓越した演奏家で、ライブ・コンサートで聴くと、私はいつも感動で人目も構わず“うるうる”。彼自身と演奏の素晴らしさはもとより、「人間ってすごい」という人類の可能性に対する賛美のような感動です。
その人類が、一方では、ウクライナでもパレスチナでもその他の地でも戦争をする。時間は皆に平等にあるから、どこにも年の瀬は来るけれど、なんたる違い。紛争地に暮らす人たちのことを思うと、心が痛み、無力感を拭えません。
さて、ムーブ&アジア女性交流・研究フォーラム(KFAW)では、今年も、忙しい1年を過ごしました。
まず、年が明けるとすぐ、ムーブフェスタ2023の実行委員会が動き始めました。7月の開催に向けて、委員の皆さまが着々と準備を進めてくださったおかげで、男女共同参画(ジェンダー平等)に取り組むムーブらしい充実したフェスタとなりました。市民企画事業を実施してくださった方々、協賛してくださった方々(企業、団体、個人など)、裏方で事業を支えてくださったムーブ・サポーターの皆さまにも、感謝、感謝です。
年間を通じてさまざまな男女共同参画推進のための講座やイベントを開催していますが、1月から3月まで毎月1回、「ランチタイム・トーク」という、オンラインでお昼休みに見ていただける海外情報の発信イベントを、初めての試みで実施しました。
予告編:年明けにまた開催する予定です。お楽しみに~
5月から6月にかけては、ブータン王国から2回に分けて、女性や子どもの保護を担当する行政官・NGO職員32名が来訪し、北九州市で研修を受けました。その後7月には、アジア、アフリカ、オセアニアなどから9人の行政官が来られて、ジェンダー主流化(*注)のための研修を受けました。ムーブフェスタにも参加していただき、北九州市民との交流会も楽しみました。
5月に開催した能條桃子さんの「わたしが始める!わたしサイズの政治参画」は、目からうろこ。Z世代の人たちは、こんな風に世の中をみているのか・・ 政治分野に関心をもつことは大切で、10月に2回シリーズで開催した「『政治参画』ってなんだろう?」も、自分たちの生活と政治がどうつながっているのか考える良い機会になりました。
同じく10月の「おとこのライフセミナー」では、男性学を専門とする大学の先生から「男は仕事、女は家庭」から「女も男も、仕事も家庭も」へ変わっていく社会と生き方の話を伺って、内閣府が男女共同参画白書で言っていた「昭和モデル」から「令和モデル」へという提言が、すっと頭に納まりました。
と、主だった事業いくつかを振り返ってみましたが、こうしたムーブやKFAWの講座・イベント情報などを見逃さないように、メルマガに登録してみませんか。
ムーブ⇒ https://www.kitakyu-move.jp/movemailapp
フォーラム⇒ https://www.kfaw.or.jp/
ムーブやKFAWの情報は、フェイスブック、インスタグラムでも発信しています。
12月も、まだまだ忙しい。次のイベントが1年のフィナーレを飾ります。
2日(土)は、満員御礼のムーブ映画祭、3日(日)は、国連ウィメン日本協会北九州主催の講演会、8日(金)は、こどもと保護者のためのおはなし会。
そして、9日(土)は、国際理解セミナー「世界をつなげるフィリピンの女性たち~ナース、家事・介護労働者からコールセンターまで~」。セミナーはオンラインのみの開催で、12月6日(水)までお申し込み可能です。ご関心のある方は、ぜひ、こちらからどうぞ。
それでは、慌ただしい年の瀬、どうぞ、笑顔でお過ごしください。
Peace, Peace, Peace!! 良いお年を~!
*注)「ジェンダー主流化」とは、
各国政府が行うあらゆる取り組みにおいて常にジェンダー平等とジェンダーの視点を確保し、施策に反映していくこと。
ムーブ所長 小石 佐織