着任のごあいさつ
7月1日、前所長の小石さんの後任として着任した桝尾美栄子と申します。
7月は、ムーブフェスタの月。6日から27日まで、実行委員会の皆さまの支援のもと、さまざまな事業が企画実施され、多くの方々の思いや熱意を感じることができました。今年のテーマ「ムーブでつながり 未来を拓く」のように、皆さまにとって、ムーブが、出会い、共感し、つながり、共に歩みを進めるよりどころとなりますよう努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、ムーブフェスタ2024は、野々村友紀子さんの講演会で幕を開けました。
家庭や職場などのさまざまな場面を想定した「野々村友紀子式ものの伝え方」を、ユーモアを交えてお話しいただきました。(詳しくは、情報誌『ムービング』10月発行の104号でご紹介します。)
野々村さんのお話を聞いて、改めて気づいたこと。それは、日ごろから身近な人に、きちんと伝えることの大切さです。自分の思いが先行して押し付けになっていないか、肝心なことが伝わるくらいに具体的な話ができているか。いつも近くにいる人とのコミュニケーションには、慣れや甘えから配慮が不足しがち。常に心に留めておきたいと思います。
北九州市では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という固定的な考え方を肯定する人は、17.0%(令和4年)。平成17年の57.5%から大きく減少し、全国平均よりも、男女平等意識が高くなっています。ところが、実際に、家庭生活や職場、政治の場、社会通念など社会全体で、男女が平等だと感じる人の割合は10.7%でしかありません(全国では14.7%)。
意識は高いのに、実践が伴わない。日常の「伝え方」が影響しているのかもしれません。
ムーブフェスタの期間中、若い学生さんたちが、学びのためにムーブを訪ねてくださいました。
なかでも、青山学院大学の皆さんには、5日間にわたる「地域実習」の場に、遠路はるばるムーブを選んでいただきました。キラキラした目と、しっかりと吸収し考える姿勢は、とても素敵で頼もしかったです。
地元からは、小倉高校1年生の皆さんが、ジェンダー平等の学びを目的に。九州女子大学ESDサークルPLUMの皆さんは、フェアトレードカフェの企画・運営を目的に。そして、北九州市立大学地域創生学群ESDプロモート実習の皆さんには、高校生と結婚観について話し、多様な価値観を共有する企画を実施していただきました。
皆さん、ありがとうございました。ムーブ一同、活力をいただきました。
これからも、地元はもちろん、市外からも、若い学生さんたちにムーブをどんどん活用していただけたら幸いです。
話は変わりますが、いよいよ、パリ2024オリンピックが開幕しました。さまざまな種目の選手たちの活躍に期待が高まっていますが、この大会では、ジェンダー平等の推進にも力を入れられているようです。
「パリ2024は史上初めて男女にとって完全に平等な大会になります。パリ2024では、男子選手と同じ数の女子選手がスタートラインに立つことになります。それ自体が画期的な出来事ですが、私たちはフランスの全ての地域でも同じように反映されることを願っています。」(トニー・エスタンゲ パリ2024大会組織委員会会長)
オリンピック、パラリンピックを通じて、競技に出場する選手を男女同数にする。フランス国内の女性のスポーツ参加を促進する。大会を、ジェンダー平等の推進に活用しようという意思が感じられます。
オリンピック、パラリンピックの観戦と合わせて、ジェンダー平等にも注目しましょう。
2024年7月
北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長
桝尾 美栄子