大規模災害時における男女共同参画センターの相互支援システムの構築
今回のタイトルは、少し長くて、難しく感じるかもしれません。
実は、先月、仙台市で「国連防災世界会議」が開催され、その中の「女性と防災」というパブリックフォーラムでのシンポジュウムで、「大規模災害時における男女共同参画センターの相互支援システム」をスタートする宣言がなされました。
今回は、その報告です。
背景に、東日本大震災に際して、被災地内外の男女共同参画センターが、女性や子どもなど一層の困難を被りやすい被災者の支援に重要な役割を果たしてきたことがあります。
災害時に、男女共同参画センターが、女性たちの悩みや声を拾い上げました。
例えば、着替える場所がない、洗濯ができない、干す場所がない、トイレが男女同じ、避難所に衝立がない、下着が送られてきてもサイズが同じ、また、女性に対する暴力など、被災時には、なかなか声を上げにくい女性たちの声を拾い上げ対応されたそうです。
平常時にはあたり前のことがあたり前ではない、なかなか言い出せずにいる女性の声を、男女共同参画センターの職員が、拾い上げ、対応されたそうです。
でも、まだまだ、十分には対応できていなかったそうです。
そこで、発災後4年を経て、全国女性会館協議会(全国の男女共同参画センター/女性センターを結ぶネットワーク組織)が、今後、大規模災害時に男女共同参画センターが十分にその役割を果たすことができるように、男女共同参画センター同士が互いに支え合う仕組づくりの検討会を立ち上げました。検討を重ねた結果が、「大規模災害時における男女共同参画センター相互支援システム」です。内容は、システムを機能させるための行動計画と、そのため必要となる提言をまとめたものです。
行動計画の行動指針は、それぞれのセンターの特性に応じて、できる範囲で、ゆるやかにつながって、互いに助け合いましょうというものです。
具体的なイメージですが、下図を見ていただきたいと思います。
・被災地のセンターは、女性や子どもなど、困難をかかえる方々のニーズのくみ取り発信
・被災地外のセンターは、物的、金銭的、人的支援等について、協力できるものを検討して提供する。地域の市民や支援者グループの協力も得られれば、協力して支援を行っていくというものです。
・そして、全国女性会館とハブセンターが、被災地と被災地外のセンターのコーディネートを行っていくというものです。
今回、行動計画にあわせて、国や地方公共団体に向けて、「男女共同参画センターの役割の明確化と地域防災計画等への明記」など6つの提言がされました。
北九州市立男女共同参画センター・ムーブも大規模災害時には、このシステムの中で、被災者支援などを行って参りたいと考えています。そのためには、関係者の皆様の理解をいただきながら、さらに、全国の男女共同参画センターとも具体的な運用の議論を深めて参りたいと思っています。
大規模災害時における男女共同参画センターの相互支援システム構築に向けて