イクボスをめざして
先日、「NPO法人ファザーリング・ジャパン九州」副代表理事を務める小津智一さんの講演を聴く機会がありました。
演題は「ボスが変われば会社が変わる、北九州が変わる」、テーマはイクボス。
「イクボス」とは?
①共に働く部下のワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら
②組織の業績目標も結果を出しつつ
③自らも仕事と私生活を楽しむことができる
そのような上司を言います。(もちろんボス(上司)であれば、性別は問いません)
なぜ、今イクボスなのか?
現在は、経済成長期を支えてきた経営とは異なる事業経営や組織経営が必要な時代へ変わってきています。
●子育てや介護等の理由から働き方に配慮が必要な社員(制約社員)の増加
●今後も見込まれる労働者不足
●昭和型経営からの脱却
大量生産から → 少量かつ斬新な商品生産へ
長時間労働から → 制約社員の増加、働き方改革へ
交代要員は多数から → 交代要員は少数、チーム効率の向上へ
このような状況の下では、男女を問わず全ての労働者の多様性を活かし、チームで成果をあげる組織づくりが必要であり、それには何よりもまずボスの意識改革が不可欠です。
イクボスの行動とは?
イクボスの具体的な行動規範を示した「イクボス10か条」も示されました。
10か条の中のいくつかを示すと、
●現代の生活事情を知り、部下が子育てや介護のライフに時間を割くことに理解を示す
●部下がライフに時間を取りやすいよう、会議の効率運営、書類の削減、意思決定の迅速化等を進める
●イクボスのいる組織は業績も向上することを実証する
●ボス自らがワークライフバランスを重視し、生活を楽しむ
イクボスは、優しくて理解がある上司というだけではなく、部下への理解とともに、組織の長として適切なマネジメントを行い、そしてボス自らワークライフバランスを実践する姿が必要なのです。
自分自身を見つめて
私も部下を持つ立場なので、自分のことを振り返ってみました。
部下への理解や仕事の効率化は、かつて子育てをしながら仕事を続けた経験も踏まえ、自分なりに取り組んでいますが、それがきちんと業績の向上につながっているか、何より自らワークライフバランスを実践しているかと問われれば、まだまだ道半ばという状況だと感じています。
ムーブでは、秋の訪れとともに、新しい講座の開講や大きな講演会なども多くなります。
元気のないスタッフから良い仕事は生まれません。来場された皆さまに喜んでいただける事業を実施するためにも、所長として、現場スタッフの笑顔が広がるような取り組みを進めていこうと思っています。