私は大工の娘、籠田淳子です。

投稿者:所長 2015年03月01日

 

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 今年1月に、籠田淳子さんが代表を務める有限会社ゼムケンサービスが、内閣府「女性が輝く企業」特命担当大臣表彰を受賞しました。一昨年の内閣府「女性のチャレンジ賞」、昨年の「ダイバーシティ経営企業100選表彰」に続く受賞です。北九州市にとっても、大変嬉しいニュースでした。

 

 私と籠田さんとのご縁は、平成23年、『北九ネット“しおり”』という、私たちのグループに、ゲストスピーカーとしてお越しいただいた時からです。

籠田写真

 籠田さんの会社は、当時、社員11名中8名が女性という会社。男性社会と思われる建設業界にあって、この女性比率の高さに、まず驚きました。

 そして、社員採用についてのお話がありました。仕事も忙しくなり社員を募集したところ、子育て中で、フルタイムでは働けない女性が多かったそうです。初めは、お客様の都合に合わせる建設業界でそのような働き方では、無理。なんて甘いと思ったそうです。でも、考え方を変え、2人で1人の仕事をすればいいという発想に切り替え、時間で仕事をするのではなく、仕事を分ければいいと思い、子育て中の方を2人採用されたそうです。当時はワークシェアリングという言葉も知らず、結果としてワークシェアリングになっていたということです。籠田さんのこの発想が、柔軟で、独創的かつ、先進性を生み出す鍵だと思います。

 

 この働く人の視点に立って、働き方を変えていく発想がいいなと思い、北九州市のワーク・ライフ・バランス表彰への応募をお願いしました。その結果「北九州市ワーク・ライフ・バランス市長賞企業部門」を受賞。これは、個人賞に続く快挙ですが、籠田さんは、この時の受賞について、「ようやく企業として認めてもらった。社員も喜び、やる気につながっていった」とおっしゃっています。

 

 籠田さんの会社は、冒頭で触れたように、内閣府や経済産業省の賞を次々と受賞されています。でもその受賞のベースには、籠田さんのたゆまぬチャレンジがあります。女性力で建設業を明るく強くする「JKDT女性建築デザインチーム」の創設、在宅勤務への挑戦、さらに、産学官連携で女性力をビジネスにするシステム開発を慶應義塾大学とすすめていく予定だそうです。籠田さんは、いつも進化を続けています。会社の規模は小粒でも、やっていることは最先端、これからがますます楽しみです。

 

 こんな先駆的な籠田さんですが、私の大好きな言葉は「私は大工の娘、籠田淳子」という言葉です。お父様やお母様の創業の精神を忘れず、現場が大好きで、職人が大好きな籠田さんです。そして、籠田さんの笑顔や、社員の皆さんの笑顔もいいなと思います。働く人の幸せが、企業の業績につながっていく。これからも社員の皆さんとのチームワークで、新しい企業の姿を創っていってほしいと期待しています。