男子厨房に入るべし

投稿者:所長 2016年06月01日

図1

   

   4月から「女性活躍推進法」が施行され、国や地方自治体、労働者301人以上の企業に対して、女性の活躍推進に向けた行動計画の策定が義務付けされることになりました。

 

   また、国の第4次男女共同参画計画の第1政策分野には、「男性中心型労働慣行等の変革と女性の活躍」が位置づけられています。その背景には、働く場面では、勤続年数を重視した年功序列型の処遇で、長時間労働や転勤があたり前、男性中心型の働き方の労働慣行が依然として根強いということがあります。

 

   男性中心型の働き方の中、家庭では育児・介護・家事等のほとんどを担っているのは女性という現状で、育児・介護・家事等と両立しつつ女性が能力を十分に発揮することが思うようにできないことがあります。

 

   これからは、男性中心型の労働慣行にメスを入れることは欠かせませんが、男性自身の家庭生活や地域活動への参画を進めていく取り組みも欠かせません。男子厨房に大いに入って欲しいものです。生活の仕方が変化することで、その意識も変わっていきます。

 

   興味深い調査がありますのでご紹介しましょう。オウチーノ総研が昨年実施した「夫と料理」に関する実態調査です。調査によると『既婚男性約8割が、「男子厨房に入るべからず」を否定』、『既婚男性の約2割はほぼ毎日、約半数は週に1回以上、料理をしている』という結果が出ています。育児・介護・家事等の経験は、多様な価値観や多様な人々と交流が可能となり、マネジメント力の向上にも繋がり、仕事を行う上でもプラスになります。

 

   頭で考えてもなかなか変わらない、まずは生活から変えていきましょうということで、ムーブでは「生活技術」の習得を目指して、平成23年度から「エプロン男子」講座を実施しています。

「エプロン男子」受講生のアンケートから少しご紹介しましょう。

・料理に関心を持ちました。家族にふるまっています。

・今まで台所に立つことさえ嫌だったのですが、ハンバーグを作って喜んでもらえたのが嬉しかったので、まだ好きではないですが、料理に抵抗がなくなりました。

・料理は女房まかせでしたが、難しさ大変さがよくわかりました。今まで以上に協力体制をとりたいと思います。

 

   この他にも、平成25年度からは「ケアメン養成講座」を実施し、「ケアメンのつどい」という修了生が集まる場ができました。

   平成26年度には「洗濯男子」、平成27年度は、「アイロン男子」、平成28年度は、「片付け男子」と男子シリーズも充実しています。レディスもじでも「裁縫男子」を今年度は実施する予定です。

   これらの講座にはいつも定員を上回る申し込みで、中には1講座の予定を2講座に増やして実施しています。

   参加される年齢は、60代が一番多く、50代、40代、30代、20代、70代の方々の参加も見られます。

 

   その他、父子で参加する、「父と子の食育講座」は平成11年度から実施しています。未だに大人気の講座です。

 

   これからも、男性が育児・介護・家事をするハードルが低くなるよう、男性だって、育児・介護・家事があたり前になるよう、そして、性別による固定的役割分担意識がなくなるように、発信していきたいと思っています。

エプロン男子初級写真

【エプロン男子】