傍観者にならない!

投稿者:所長 2021年12月04日

 

 今年も残すところあと1か月、昨年に続きコロナで始まりコロナで終わるという年となりました。

 ただ、このところ我が国では新たな感染状況は落ち着いており、ここムーブも緊急事態宣言が解除された10月から通常どおり事業を実施しております。

 男性向けに人気の料理教室「エプロン男子」の初級編も久しぶりに4回全部予定どおりの日程で開催できそうな状況です。

 

 そういう中、11月13日(土)に「女性に対する暴力をなくす運動」期間に合わせて実施した特別講座「サバイバーが語る性暴力~あなたはひとりじゃない~」では、8歳で性暴力被害に遭われた 工藤 千恵さん による講演会を行いました。

 

 言うまでもなく、女性への暴力、とりわけ性暴力は、女性に対する最大・最悪の人権侵害行為であり、これを根絶するためにどうしたらいいのか、社会全体で取り組むべき大きな課題です。

 

 しかし、今回実際に性被害に遭われたご本人のお話をお聞きして、被害者が受けた傷はあまりにも深く、苦しいものだと改めて認識不足を痛感しました。

 今回ご講演された工藤さんは、被害に遭われた後も被害のことを友人に知られて心を閉ざしたり、自分の性を否定して死にたいと思ったりと大変な時を過ごし、夫と知り合って彼の理解の下で徐々に回復はしてきているそうですが、事件から約40年が経過した今でもフラッシュバックや過呼吸、依存症などに悩まされながら生きているとのことでした。

   

 

 

 

 本来なら被害者なのに一生その心の傷を抱えながら生きていかなければならないというお話を聞いて、加害者が捕まったから良かった、有罪になったから良かったでは済まされない、何かやるせない思いを感じました。

 

 「被害者も加害者も傍観者も生まない社会へ」という強い思いから、絶対に思い出したくない事件の話やその後の苦しみについて敢えて公の場で講演活動を行っている工藤さんの勇気と思いに応えるためにも、傍観者とならずに、性犯罪をなくすために何か自分でできる行動をとることが重要です。

 

 話はちょっと違うかもしれませんが、東京2020大会の組織委員会で森 元会長が「女性は・・・」という発言をされたとき、その場にいた委員の方が、おかしいと気づいたがその場で何も言わなかったので同じ意見だと思われても仕方がない、という趣旨の反省の弁を述べていましたが、まさに、自分はわかっていると思っていてもそれを発言や行動に表さないと社会は変わりません。

 一人ひとりでできることは限界がありますが、それが大きなうねりとなって社会現象となっていくよう、ムーブとしても今後も継続して女性への暴力の根絶に取り組んでいきたいと強く思ってます。

 

 これから冬本番となり、風邪なども本格的に流行する季節となってきます。

 皆さまにおかれては、新型コロナ感染防止対策はもちろんのこと、くれぐれも体調管理にご留意され、元気に新年を迎えられることを祈念いたします。