「政治分野における男女共同参画推進法案」について

投稿者:所長 2017年05月06日

 

 

 皆さん、「政治分野における男女共同参画推進法案」の動きを知っていますか?

 

 4月10日には、クオータ制を推進する会(代表・赤松良子元文部大臣)が開催した院内集会『4月10日 女性参政権行使記念日 パープルに染めて!推進法案成立へ』が開催されました。集会では法案の成立を求める要望書を採択し、与野党役員らへ届けたということ。参加者はその後、国会議事堂周辺をデモ行進「議会を男女均等に」と訴え大いに盛り上がった集会になったと報告されています。

 

 「政治分野における男女共同参画推進法案」については、現在、与野党案が一本化され、衆議院内閣委員長提案としてまとまった段階で、連休あけにも衆議院内閣委員会への提案が実現するかというところです。

 法案は議員立法で、選挙で候補者ができる限り男女均等になることを目指し、政党等に男女別の候補者数の目標を定めるなど、自主的に取り組むよう努めることとしています。

 

 日本の衆議院、参議院の女性議員の現状はというと、衆議院議員475人中女性44人で9.3%、参議院議員242人中女性50人で20.7%です。

 身近な北九州市の市議会議員では、57人中女性は11人19.3%となっています。前回の61人中8人13.1%ですから少し増加しています。

 

 さて、日本は世界の中ではどうでしょうか?

 列国議会同盟では、世界の女性議員の情報を提供していますが、日本の女性議員比率(衆議院)が193ヶ国中163位と、なんとも寂しい状況です。

 このような状況の中、この法案は画期的なことであり、政治分野における男女共同参画の推進について、その基本原則を定めるという意義があります。

 

 議員立法に至るまでには、「クオータ制を推進する会」の長期的な活動があります(詳しくは、ムーブ書誌情報誌カティング・エッジ 2016.6第57号参照 )。じっとしていては、状況は動かない。その影には女性たちの地道な活動があることを忘れてはならないのです。(昨年通常国会で成立できなかった経緯についても同誌を読んでください。)

 

 今回「政治分野における男女共同参画推進法案」が成立すると政治の分野もようやく男女共同参画推進の一歩を踏み出します。法はあくまで努力義務ですが、今後は各党の取組が問われることになります。有権者の私たちの判断材料の一つにしていかなければならないと思います。

 何年か後には、女性議員が少なかったこともあったね、随分変わったね・・・ということになることを願っています。

 

           内閣府男女共同参画局より http://www.gender.go.jp/policy/mieruka/government.html