「北九州市における女性の活躍推進実態調査」の結果

投稿者:所長 2015年05月01日

 

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 昨年、11月のブログでご紹介しました、「北九州市における女性の活躍推進実態調査」の結果がでました。国でも、福岡県でも、女性の活躍推進の大きな潮流が生まれています。そして、女性が輝く社会を目指してと、言われるけれども、北九州市での実態はどうかと いうとどうもわからない。 ということで、昨年度調査しました。

 女性登用の状況はどうか。企業は、女性の活躍についてどう考えているのか、育児休業取得の状況は、継続雇用については、どうなのか、従業員数20人以上の民間・公営事業所を対象に調査した結果が、この度出ました。

概要版表紙

 

 

 

【女性管理職の登用状況】

 「課長相当職以上に占める女性の割合」は12.8%、「係長相当職以上に占める女性の割合」は15.1%となっています。2003年に、国は指導的地位に占める女性の割合を2020年までに30%にしようと目標を立てていますが、掛け声だけの時代が続き、これからという状況です。

 調査の結果をみると、管理職に女性を多く登用する事業所と、登用しない事業所に大きく分かれています。女性の課長がいない事業所が52%ある一方、50%以上いる事業所が17.4%という状況です。

 女性労働者に対する登用促進のための取り組みを見ると、計画的に、管理職にとって必要な能力や経験を習得できる環境を整えたり、女性が管理職を希望できるような環境づくりを図っていることが伺えます。

 

【女性活躍推進(ポジティブ・アクション)】

 また、女性活躍推進の取り組みに、半数近くの事業所が「取り組みを行うこと」としています。これについても、事業所間で格差がありますが、この結果は、女性たちにとって、大変後押しになると思っています。さらに波及して行ってほしいものです。

 

 実際に、「男女とも職務遂行能力によって評価されるという意識を高める」「女性の能力が有効に発揮されることにより、経営の効率化を図る」といった点に効果があらわれ始めているという結果も出ています。

 女性活躍推進の取り組みを予定していない事業所、あるいは女性管理職が少ない事業所に対し、これらの効果や先進事例について、情報発信していくことにより、さらに女性活躍推進の取り組みが加速していくと思っています。

 

 実は、取り組みのトップが「超過勤務削減などワーク・ライフ・バランスを促進させる取り組み」で、これまで、北九州市のワーク・ライフ・バランスの取り組みの実践効果が現れてきています。地道にやることで、着実に効果が出ている証しです。また、取り組みの2位が「人事考課基準を明確に定める」で女性に特定した取り組みだけでなく、男性労働者を含めた、働き方や人事システムの改善に取り組んでいます。

 

【育児休業取得率】

 女性は88.4%、男性は1.9%で、男性取得率は低く、6割を超える事業所が男性は取得しづらい状況であると回答しています。

 

 女性の活躍推進の問題点としても、女性が就労するなかで、依然として家事や育児、介護等、家庭における責任を男性に比べてより負っている実態が現れています。男性が育児休業を取得しやすい環境づくりを整えたり、さらに、男性労働者のワーク・ライフ・バランスを改善することは、男性労働者自身の多方面にわたる活躍を促進させるとともに、女性の活躍を進める上での問題点でもある家庭責任を軽減させることにもつながると考えています。

 

【これから】

 北九州市は、北橋市長就任後、女性の副市長登用に続き、「隗より始めよ」と市役所の女性職員活躍のための「女性活躍推進アクションプラン」を策定し、政令市の中でも低かった市女性職員の管理職への登用がようやく軌道にのってきました。

 この4月には「女性の輝く社会推進室」が設置され、この流れを民間に波及する次の展開が期待できます。皆さん楽しみにしていてください。もちろん、ムーブもその一翼を担ってまいります。

 

北九州市における女性の活躍推進実態調査<概要版>