「グループ相談」と「自助グループ」

投稿者:所長 2014年09月02日

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 今日は、ムーブのグループ相談と自助グループをご紹介します。

 

 ムーブには、ムーブ相談室というものがあります。皆さんご存知ですか。相談室では、「こころと生き方の一般相談」、「性別による人権侵害相談」などの1対1で行う相談のほか、昨年度から、6年ぶりにグループ相談が再スタートしました。

 実は、グループ相談の再スタートには、「ムーブのグループ相談に、自分自身が参加し、力をもらうことができたから、是非、グループ相談を開催したい」という、相談員の方の熱い思いがありました。

 

 また、先日、私自身もグループ相談の大切さを改めて感じる機会がありました。

 ウィメンズカウンセリング京都のフェミニストカウンセラー 竹之下雅代さんのDV防止講演会「DV被害者支援の現場から」の講演です。講演の中で竹之下さんは、DVや虐待の被害者が、「自分の声を取り戻す」ということを話されていました。「話すこと、語ることは、自分の声を研鑽していくことであり、語ることで、これまでの間違った認識を修正していくことができる」ということです。

 また、アリス・マラー氏の言葉を引用して、「誰か一人でもいい、その人のほんとうの気持ちを理解してくれる人がいてくれたかどうかが、(選択力・自己肯定感に)違いをうむ。」ということを、事例を通してご紹介いただきました。グループ相談の再開は間違いなかったのだと勇気づけられました。

 

 

 さて、グループ相談を再スタートし、昨年度は、6月~8月に「自分らしく生きる」というテーマ、また、10月~12月に、「コミュニケーションが苦手だと感じているあなたへのお誘い」のテーマで、グループ相談を実施しました。

 今年度は、5月~7月に、「対人援助職者のためのグループ相談 ~自分にもどれる大切なひととき」を開催しました。

 グループ相談は、テーマに沿って、同じ悩みを抱えている方々に参加していただきます。生きづらさや、同じ悩みを抱えている人同士が支え合える場で、ひとりひとりが感じたこと、気づきを大切にしています。

 大変嬉しいことに、これまで実施したグループ相談は、グループ相談から自立し、自助グループとしてムーブで活動をしています。

 

 また、市民の方々が独自に立ち上げた自助グループも活動を行っています。今では、従来からのグループに加え、あわせて、6つの自助グループが活動を行っています。

 

 グループ相談や自助グループでは、皆さんが安心して自分のことを話せる場を提供することで、他者の考えや価値観にもふれながら、自尊感情を高め、自分にあった心の整え方や課題解決方法を見つけ出す糸口になっています。誰かから何かを一方的にしてもらったり、してあげる関係ではなく、「癒し・癒され、助け・助けられ、持ちつ・持たれる」という、人として対等な関係性の中で、自尊感情が高まり、生きる力をもらいます。

 今、ムーブ相談室では、様々な悩みを抱えている方々からの相談が絶えることがありません。年々、その相談も増えています。そんな中、ひとりで悩まず、人と人とのつながりの中から、生きる力を得ていく活動である、グループ相談や自助グループの活動はこれからも必要な活動と思っています。互いにつながることによって、生きづらさから解放され、尊厳をもって生きていくことを少しでもお手伝いできればと思っています。

 

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