イコール・ペイ・デイ(EPD)と政治分野における女性の参画

投稿者:所長 2022年05月02日

 

 今回は昨年と同様にイコール・ペイ・デイ(EPD)について触れたいと思います。

 

 EPDは「女性が男性の1年分の賃金と同じ額を手にする日」ということ。男性が1年間働いて得られる賃金の総額と同額を得るのに、女性は1年を超えていつまで働く必要があるか、その同額となる日を示したものです。

 働く女性の国際ネットワーク組織である国際BPW(Business and Professional Women)が行っている男女の賃金格差を可視化するための取組です。

 

 今年、日本のEPDは5月1日で昨年(5月6日)より少し早くなりました(=賃金格差が縮まりました)が、これは男性の平均賃金が減ったことも影響しているようです。

 ちなみに諸外国では、アメリカが3月24日、イギリスが4月1日などで、なんとイタリアは1月22日(いずれも2021年のデータ)。

 この格差の主な要因として我が国の女性の管理職比率が低い(13.3%。総務省「労働力調査」令和2年)ことがあげられますが、女性の管理職が少ないということは(言い換えれば)女性も含めた多様な人の視点や声が意思決定(あるいは物事を決めるプロセス)に反映されていないということで、非常にもったいない状況だと思います。

 

 この男女の賃金格差と同様に(それ以上に)大きな問題なのが、政治分野における女性の参画です。

 昨年公表された世界経済フォーラムによるジェンダーギャップ指数では、我が国は政治分野で世界156か国中147位、点数で言えば100点満点で6点という惨憺(さんたん)たる状況です。

 このような状況を改善するために2018年に公布、施行されたのが「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」ですが、そのほとんどが努力規定であることなどから、その後の選挙においても女性議員比率は上がっておらず、昨年の衆議院選挙では逆に女性議員の比率は下がりました(9.9%→9.7%)。

 

 国民のほぼ半数は女性であるにもかかわらず、国としての重要な政策を決める場にいる女性が1割にも満たないというのでは、単純に考えてすべての国民に寄り添った政治を行うのは難しいのではないでしょうか。

 今年の夏には、参議院議員選挙が予定されていますが、どのくらい女性議員が増えるか(現在56人、23.0%)、期待してみたいと思います。

 

 (先月もご紹介しましたが)5月21日(土)に、ジャーナリストでTVの情報番組等でご活躍の浜田敬子さんの講演会(男女共同参画啓発講座)を開催します。講演のタイトルは、「日本の政治は「女性のいない民主主義」」です。申込期限は過ぎていますが、ご興味のある方はムーブまでお問合せください。