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『スクール・セクハラ』って知ってますか。

投稿者:所長 2015年11月01日

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 国の「女性に対する暴力をなくす運動」(11月12日~25日)に連動してムーブでは11月25日に「女性への暴力ゼロ!ホットライン」を開設し、女性への暴力に関する相談を受けるとともに、毎年「女性への暴力ゼロ運動特別講座」を開催しています。

 今年は「スクール・セクハラ」を取り上げ、NPO法人スクール・セクシュアル・ハラスメント防止全国ネットワークの亀井明子さんに講演をしていただきます。

 

 私が「スクール・セクハラ」という言葉を知ったのは、平成25年12月の亀井さんの講演会でした。

 子どものころに受けたセクハラが、後々の人生に大変影響していること、学校現場では教師仲間は知っていても表に出にくいこと、また、セクハラの事実を把握していても、転勤してしまえばそのままになってしまうことがあると聞いて、衝撃を受けました。

 また、法整備も含めて制度面で遅れている分野で、当面は、被害者支援の視点で、被害者が相談できる体制の充実が必要であると感じていました。

 

 以来、ずっと気になっていましたが、平成26年に、池谷孝司著『スクールセクハラ』(幻冬社)が発行され、ムーブの書誌情報誌『カティング・エッジ』でも紹介書籍として取り上げました。亀井氏の書評の中から引用させていただきます。

 

 本書から著者の3つのメッセージが読み取れる。1つ目は、教員が権力関係を利用して子どもに対して起こすセクハラ被害の実態がきわめて深刻だということ。2つ目は、最高責任者である学校長のセクハラに対する認識が極めて低いということ。3つ目は、被害者とその保護者は二次被害に苦しんでいるということである。…

 

 多くの先生が、子どもたちの教育に懸命に取り組まれていると思います。ほんの一部の先生による「スクール・セクハラ」で、心に傷を持つ子どもたちが存在するのであれば残念なことです。

 

 まだまだ「スクール・セクハラ」という言葉はそれほど広まっていませんが、子どもたちが被害にあっている現状を知り、皆さんとどう向き合っていけばよいのか一緒に考える機会にしたいと思っています。

 講演会は、11月15日(日)13:00~15:00です。是非、ご参加ください。

 

平成27年度女性への暴力ゼロ特別講座 「知っていますか?“スクール・セクハラ”」はこちらから

 

スクールセクハラ

ベトナム・カンボジア スタディツアーに参加して

投稿者:所長 2015年10月01日

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 9月初め、ベトナム・カンボジア スタディツアーに同行しました。20代前半の15人の若者たちと一緒のツアーでした。

 

 ベトナムでは、ハイフォンとハノイを訪問。ハイフォン私立大学と九州国際大学の学生との交流事業、ハノイ女性連盟の訪問、TOTOハノイ工場訪問などを行いました。

 年5~6%の経済成長率のベトナムは、活力溢れる国でした。バイクや自動車が、次から次に道に溢れてきます。3人乗り、4人乗りもあたり前。道路の横断は命がけです。路上屋台は歩道に張り付くように、道を占拠しています。徐々に、インフラ整備も進み、道路、空港整備が進んでいます。今、飛躍的に発展しています。

 ベトナムは、戦後の日本がまだインフラ整備も十分ではなく、これから経済が成長していくという私の幼いころの日本を思い出させます。

 

 次の目的地のカンボジアでは、2つの小学校と日本国際ボランティアセンターの支援で栄養菜園プロジェクトを実施している農村を訪問しました。

 小学校では、学生たちが用意した縄跳び、折り紙、けん玉、ゴム鉄砲などで遊びました。国も、年齢も、言葉も違いますが、子どもたちは大学生と、夢中になって遊んでいました。私も、カンボジアの子どもたちの仲間に入れてもらって、私の幼い頃に遊んだ石蹴りで一緒に遊びました。 

 学校の図書室には本が少なく、九州国際大学の学生さんが絵本を贈る活動「BOOK TO READプロジェクト」を実施しています。校長先生のお話では、子どもたちは小学校は卒業するものの、半数は中学校を卒業せずに、工場や工事現場に働きに行くということです。

 農村では、家を見せていただきましたが、家財道具はわずかで最小限の家財で生活されていました。我が家の無駄なものの多さを反省しました。

 

 日本に比べて貧しさの残るベトナム、それよりももっと貧しいカンボジアでしたが、かえって、戦後の貧しい日本の時代に生まれ育った私にとっては、何が、本当の豊かさのなのか、考えてしまいました。

 我が家にはいろいろなものが溢れています。街並みもきれいになっていますが、幼い頃の隣近所で助け合って生活していた時代と比べ、本当の豊かさとは何?と、考えるスタディツアーになりました。

 

 このブログでは、スタディツアーで経験したことを書き尽くせません。興味がある方は、10月11日(日)14:00~15:30に、スタディツアー報告会を実施しますので、ご参加ください。

 


 

スタディツアー報告会についてはこちらをご覧ください。

大学における性的マイノリティの学生支援

投稿者:所長 2015年09月01日

虹と報告書

 

 ムーブでは、北九州市の男女共同参画社会の形成の障害となっている問題をジェンダーの視点から掘り起こし、問題解決の糸口を探る「ジェンダー問題調査・研究支援事業」を実施しています。

 平成26年度は、北九州市立大学教授の河嶋静代先生による調査・研究「性的マイノリティの学生支援における課題」を支援しました。そして、今年7月に調査・研究の報告会を開催しました。

 

 当初は、「性的マイノリティに対する大学のサポート体制」と「性的マイノリティの学生サークル」についての調査・研究となっていましたが、是非、「全国の大学の実態を調べて欲しい」とお願いし、全国の大学や短大へのアンケート調査も合わせて行っていただくことができました。性的マイノリティに対する調査は全国でもほとんどないということです。

 

 その結果、回答のあった大学241校のうち121校、約半数が性的マイノリティの学生から相談があったことが分かりました。相談内容は、「学生生活」「家族・友人、「就職、将来について」などとなっています。

 しかし、「健康診断」「トイレ利用」「授業での名前の呼び方」「更衣室・シャワールームの利用」「通称名での学生証の発行」など特別の配慮をしている大学等があるものの、性的マイノリティの学生に対して、243校のうち161校、約7割が特別な配慮をしていないことが分かりました。

 

 調査では、さらに、先駆的な大学での取組みを紹介しています。今後、これらの大学をロールモデルとして、他の大学等へと支援が広がっていくことを期待したいものです。

 河嶋先生の所属する北九州市立大学では、既に、今年の4月から学生証や卒業証明書に通称名が使える制度を導入したということです。

  

 ムーブでは、平成24年度、性的マイノリティの方からの相談を受けたことをきっかけに、対人援助者セミナーに「性的マイノリティ」を取り上げ、平成25年度は、当事者を交えての講演会を実施しました。

 

 渋谷区では、今年4月、同性カップルをパートナーと証明する条例を施行するなどの動きもあります。

7月の調査・研究の報告会では、遠くは東京など市外からの参加者も多く、性的マイノリティに対する関心の深さを感じました。

 

 報告会で、コメンテーターをしていただいた、元国際基督教大学のジェンダー研究センター長の田中かず子さんのコメント、「性的マイノリティは、マイノリティの問題だけでなく、マジョリティ側の問題でもある」と言われたことが印象に残っています。

 マジョリティ側の理解を深めるため、これからも取り組んで行っていくことが必要だと考えています。

 

*「性的マイノリティ」とは、性別違和感がなく異性を愛する人が多数者であることに対し、LGBT(IQ)の人たちを総称して

  使うことが多い。LGBTとは、英語のレズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランス

  ジェンダー(Transgender)の頭文字である。

(平成26年度 ジェンダー問題調査・研究支援事業報告書P6より)

書誌情報誌『Cutting-Edge カティング・エッジ』について

投稿者:所長 2015年08月01日

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 皆さん、ムーブが発行している『Cutting-Edge カティング・エッジ』をご存知ですか。

 ジェンダー問題解決のカギを提示する最前線の書誌情報誌と銘打って発行しています。2001年1月に創刊号を発行し、2015年6月までに54号を発行しました。

 

 どのような趣旨で発行しているのか2009年3月発行の『Cutting-Edge 総集編版』の「はじめに」から引用させていただきます。

 

 「・・・(略)・・・国内外における男女共同参画推進の動きや課題の変遷、またその時々の議論や研究および運動の成果は、本書を読むことで端的に掴むことができる構成になっています。」

 「・・・(略)・・・情報および情報機器へのアクセスの男女格差の解消が女性のエンパワーメントの重要な戦略であるとの国際認識(1995年採択の北京行動綱領)を踏まえ、“Think Globally、Act Locally”すなわち男女共同参画社会の実現にむけて地球規模の視座に立った情報を北九州市から発信することを目指してまいりました。」 

 

 また、巻頭言、書誌情報とキーワード解説、ジェンダー・エッセイについては、

 「未来を見通す目で男女共同参画の推進に毎回新しい風を吹き込む巻頭言、男女共同参画の推進を困難にする現実を切り取り、問題解決のカギを示す書評およびキーワード解説、しなやかな感性と冷徹な目で男女共同参画問題を読み解いてみせるジェンダー・エッセイ」と説明しています。

 

 さて、私は、2013年6月10日発行の48号から発行に関わっています。できるだけ多くの方々に読んでいただきたいという職員の提案を受けて、デザインを刷新するとともにカラー版にしました。また、男女共同参画やジェンダーについてマンガを通して理解していただこうと、「マンガコーナー」を新設。「マンガーコーナー」は大好評です。おかげでこの『カティング・エッジ』はこれまで以上に多くの方々に手に取っていただいています。

 発行にあわせ図書・情報室に特設コーナーを設置することで、『カティング・エッジ』で取り上げた本の貸出しも増えています。

 

 巻頭言やジェンダー・エッセイのテーマを何にするのか、どなたに書いていただくのか、また、書誌情報に掲載する本は何にするのか、書評はどなたにお願いするのか、編集会議で議論します。

 書評の本については、担当者を含めて日頃から、これはという本を各自が読み、提案します。そして、提案された本を編集委員全員が目を通して選びます。そして、この本であれば、この方に書評をお願いしようと考えるのも、楽しみな作業です。そして、書評が送られてきて、取り上げた本が的を射た選択であったことを確認できたときは、発行者冥利につきます。

 

 今年の3月~5月に誌面に関するアンケート調査をいたしました。「今回初めて読みましたが大変、中身が充実している、よい書誌情報誌でした。特に書評に各本のキーワードの解説が載っていたのがよかったです。」「ジェンダー問題に特化している情報誌が少ないので、読むたびに勉強させてもらっています。基本的な内容も掲載していただけるともっとわかりやすい。」などの意見をいただきました。

 これからも改善し、より皆さまに読まれる書誌情報誌にしていきたいと思っています。

 皆さま、是非、読んでください。そして、ご意見をお寄せください。

 

 

所長ブログ用写真(修正)

 

※写真をクリックすると「カティング・エッジ」最新号のページに飛びます

ムーブ開所20周年によせて

投稿者:所長 2015年07月01日

 

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 ムーブは、女性を中心とした市民運動の盛り上がりの中、女性たちの長年の夢と希望を担って、平成7年7月1日に開所しました。今日、ハタチの誕生日を迎えることができました。

 ハタチの記念に、7月4日のムーブフェスタ2015のオープニングイベントでは、記念式典、講演会、記念祝賀レセプションを開催します。

 これに合わせて、『ムーブ開所20年記念誌』を作成し、「開所20周年記念によせて」多くの関係者の皆様からメッセージをいただきました。

 その中からいくつかご紹介します。

 

 「平成7年7月1日の開館日の感動は今も忘れることはありません。山が動いた日でもありました。」

 「20年前に女性の活動の拠点である“ムーブ”ができることを聞き、「やった、バンザイ」と叫んだことを懐かしく思います。」

 「ムーブ喫茶の運営、管理を女性団体が行うということに感銘し、すぐに私も喫茶ボランティアに参加しました。」

 開館時の感動が伝わってきます。

 

 「20年間ムーブにかかわり歩いて来ました。自分の我が家と思っています。」

 「ムーブとの出会いがなければ、私の人生はもっと迷いが多かったはずです。」

 ムーブが皆様にとってかけがえのない存在だったことがわかります。

 

 「今後も、時代を切り拓くスピリットを遺憾なく発揮して、困難な状況に立ち向かう女性たちの力となってください。」

 「いずれかの性に傾斜した社会システムは、結局はどちらの性をも幸せにしないということを介護の世界は事実をもって教えてくれています。心を一つにして「パンとバラ」をすべての人に届けましょう。」

 「ムーブは、一言で言えば、“骨太”という言葉がぴったりな男女共同参画センターです。その理由は、女性を対象にした各種事業はもとより男性や子育てに関する多彩な講座を展開する一方で、調査研究や出版事業で毎年しっかり成果をあげているところにあります。」

 「一般市民にはなかなか馴染みの薄いセンターでもある。もっと北九州市の財産として広めていくことも課題でしょう。」

 「あれから20年。直接差別の解消は進んだものの、未だに残る間接差別の撤廃や、ふつうの女性の地位確立、世代を越え、国境を越えた女性・男性の連帯に向けて、ムーブの果たす役割はきわめて大きいと、今あらためて感じています。」

 「次の20年に向けて、幸せな暮らしが続けられる街の仕組みづくりを、ムーブが担っていくことを確信しています。」

 これからムーブがやらなくてはならないことがいっぱいです。

 

 さて、20年目のムーブフェスタのキャッチコピーは、「20年の思いを込めて いま、ここから未来へはばたく」です。

 これからも、男女共同参画社会の実現に向けて、羽ばたけるよう、皆様とともに歩んでまいります。

 

 あらゆる世代の男女が出会い、交流し、新しい自分を発見し、行動へつなげていく、「創造と発見の広場」という開所時からの理念を大切にし、市民の皆様が主役の活動拠点としての役割を担うとともに、様々な課題解決に向けた取り組みを進めたいと思っています。

 世界的にも遅れた女性の活躍、女性が働き続けることの難しさ、根強い固定的役割分担意識、DVなどの人権侵害行為の根絶など様々な課題解決に向けて、取り組んでいかなければなりません。

 そして、ハタチのムーブがこれまで培ったものをさらに大きく発展させて、次の世代につなげていきたいと思っています。

 

 世代を越えて、男女が互いの人権を尊重し、それぞれが個性と能力を発揮し、自由に生き方を選択できる社会を目指してこれからも努力してまいります。

 今後ともご支援、ご協力をお願い申し上げます。

 

 

ムーブ20周年記念誌表紙

 

 

 

 

 

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『北九州市の男女共同参画統計データ2014』

投稿者:所長 2015年06月03日

 

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 平成26年度末、『北九州市の男女共同参画統計データ集2014』がようやく完成しました。

 男女共同参画統計とは、『岩波女性学事典』によると、「ジェンダーの視点で男女間の不平等の状況を数量として把握するための、性別区分をもつ統計」となっています。

 今回のデータ集は、平成20年度に発行した『北九州市の男女共同参画統計データ集2008』を踏まえ、最新のデータを追加するとともに、社会の変化に伴う新たな分野のデータを加えた刷新版です。

 担当職員をはじめ、この仕事に関わったメンバーは皆初めての仕事で大変苦労しました。印刷を終えたとき、達成感とともに、1年間の作業がようやく終わったと、ホッとしました。

 

 「データの収集は、手間がかかって地味で地道な作業」と言われていますが、全くそのとおり。

 データは、既存の統計から導き出すものと、さまざまな市の部署や関係機関に依頼して出していただくものとがあります。

 市の関係部署や関係機関の方々は、皆さん協力を惜しまず資料を提供してくださいました。ありがたいことと感謝しています。

 

 既存のデータについては、職員の粘り強い努力の成果です。国勢調査、住民基本台帳、人口動態統計、就業構造基本調査など多くの資料からデータを集めました。

 時系列で変化がわかるようにするには、年度ごとの統計データを収集、そして、分母となる数字と分子となる数字を探して、比率を出すなどの加工作業も要ります。根気強く、間違いのないようにしなければならず、注意力のいる作業でした。職員の方々にも感謝です。

 

 このデータ集では、家族、仕事、各分野における男女共同参画状況、健康、暴力など7つ分野にわたり、北九州市の男女共同参画の現状が見えてきます。

 統計は使われないと、宝の持ち腐れ。統計から見えてくる男女共同参画の実態を学び、考え、そして政策に生かすことができればいいと思っています。

 このデータ集をもとに、ジェンダー統計について学ぶ講演会も予定しています。また、ご案内します。

 さらに、これから足りないデータを補充し、充実していきたいと思っています。乞うご期待です。

 

 

『北九州市の男女共同参画統計データ集2014』はこちらから

 

 

データ集2014(表紙)

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「北九州市における女性の活躍推進実態調査」の結果

投稿者:所長 2015年05月01日

 

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 昨年、11月のブログでご紹介しました、「北九州市における女性の活躍推進実態調査」の結果がでました。国でも、福岡県でも、女性の活躍推進の大きな潮流が生まれています。そして、女性が輝く社会を目指してと、言われるけれども、北九州市での実態はどうかと いうとどうもわからない。 ということで、昨年度調査しました。

 女性登用の状況はどうか。企業は、女性の活躍についてどう考えているのか、育児休業取得の状況は、継続雇用については、どうなのか、従業員数20人以上の民間・公営事業所を対象に調査した結果が、この度出ました。

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【女性管理職の登用状況】

 「課長相当職以上に占める女性の割合」は12.8%、「係長相当職以上に占める女性の割合」は15.1%となっています。2003年に、国は指導的地位に占める女性の割合を2020年までに30%にしようと目標を立てていますが、掛け声だけの時代が続き、これからという状況です。

 調査の結果をみると、管理職に女性を多く登用する事業所と、登用しない事業所に大きく分かれています。女性の課長がいない事業所が52%ある一方、50%以上いる事業所が17.4%という状況です。

 女性労働者に対する登用促進のための取り組みを見ると、計画的に、管理職にとって必要な能力や経験を習得できる環境を整えたり、女性が管理職を希望できるような環境づくりを図っていることが伺えます。

 

【女性活躍推進(ポジティブ・アクション)】

 また、女性活躍推進の取り組みに、半数近くの事業所が「取り組みを行うこと」としています。これについても、事業所間で格差がありますが、この結果は、女性たちにとって、大変後押しになると思っています。さらに波及して行ってほしいものです。

 

 実際に、「男女とも職務遂行能力によって評価されるという意識を高める」「女性の能力が有効に発揮されることにより、経営の効率化を図る」といった点に効果があらわれ始めているという結果も出ています。

 女性活躍推進の取り組みを予定していない事業所、あるいは女性管理職が少ない事業所に対し、これらの効果や先進事例について、情報発信していくことにより、さらに女性活躍推進の取り組みが加速していくと思っています。

 

 実は、取り組みのトップが「超過勤務削減などワーク・ライフ・バランスを促進させる取り組み」で、これまで、北九州市のワーク・ライフ・バランスの取り組みの実践効果が現れてきています。地道にやることで、着実に効果が出ている証しです。また、取り組みの2位が「人事考課基準を明確に定める」で女性に特定した取り組みだけでなく、男性労働者を含めた、働き方や人事システムの改善に取り組んでいます。

 

【育児休業取得率】

 女性は88.4%、男性は1.9%で、男性取得率は低く、6割を超える事業所が男性は取得しづらい状況であると回答しています。

 

 女性の活躍推進の問題点としても、女性が就労するなかで、依然として家事や育児、介護等、家庭における責任を男性に比べてより負っている実態が現れています。男性が育児休業を取得しやすい環境づくりを整えたり、さらに、男性労働者のワーク・ライフ・バランスを改善することは、男性労働者自身の多方面にわたる活躍を促進させるとともに、女性の活躍を進める上での問題点でもある家庭責任を軽減させることにもつながると考えています。

 

【これから】

 北九州市は、北橋市長就任後、女性の副市長登用に続き、「隗より始めよ」と市役所の女性職員活躍のための「女性活躍推進アクションプラン」を策定し、政令市の中でも低かった市女性職員の管理職への登用がようやく軌道にのってきました。

 この4月には「女性の輝く社会推進室」が設置され、この流れを民間に波及する次の展開が期待できます。皆さん楽しみにしていてください。もちろん、ムーブもその一翼を担ってまいります。

 

北九州市における女性の活躍推進実態調査<概要版>

大規模災害時における男女共同参画センターの相互支援システムの構築

投稿者:所長 2015年04月01日

 

女性と防災

 

 今回のタイトルは、少し長くて、難しく感じるかもしれません。

 実は、先月、仙台市で「国連防災世界会議」が開催され、その中の「女性と防災」というパブリックフォーラムでのシンポジュウムで、「大規模災害時における男女共同参画センターの相互支援システム」をスタートする宣言がなされました。

 今回は、その報告です。

 

 背景に、東日本大震災に際して、被災地内外の男女共同参画センターが、女性や子どもなど一層の困難を被りやすい被災者の支援に重要な役割を果たしてきたことがあります。

 災害時に、男女共同参画センターが、女性たちの悩みや声を拾い上げました。

 例えば、着替える場所がない、洗濯ができない、干す場所がない、トイレが男女同じ、避難所に衝立がない、下着が送られてきてもサイズが同じ、また、女性に対する暴力など、被災時には、なかなか声を上げにくい女性たちの声を拾い上げ対応されたそうです。

 平常時にはあたり前のことがあたり前ではない、なかなか言い出せずにいる女性の声を、男女共同参画センターの職員が、拾い上げ、対応されたそうです。

 でも、まだまだ、十分には対応できていなかったそうです。

 

 そこで、発災後4年を経て、全国女性会館協議会(全国の男女共同参画センター/女性センターを結ぶネットワーク組織)が、今後、大規模災害時に男女共同参画センターが十分にその役割を果たすことができるように、男女共同参画センター同士が互いに支え合う仕組づくりの検討会を立ち上げました。検討を重ねた結果が、「大規模災害時における男女共同参画センター相互支援システム」です。内容は、システムを機能させるための行動計画と、そのため必要となる提言をまとめたものです。

 

 行動計画の行動指針は、それぞれのセンターの特性に応じて、できる範囲で、ゆるやかにつながって、互いに助け合いましょうというものです。

 具体的なイメージですが、下図を見ていただきたいと思います。

 

相互支援イメージ図

 

 ・被災地のセンターは、女性や子どもなど、困難をかかえる方々のニーズのくみ取り発信

 ・被災地外のセンターは、物的、金銭的、人的支援等について、協力できるものを検討して提供する。地域の市民や支援者グループの協力も得られれば、協力して支援を行っていくというものです。

 ・そして、全国女性会館とハブセンターが、被災地と被災地外のセンターのコーディネートを行っていくというものです。

 

 今回、行動計画にあわせて、国や地方公共団体に向けて、「男女共同参画センターの役割の明確化と地域防災計画等への明記」など6つの提言がされました。

 

 北九州市立男女共同参画センター・ムーブも大規模災害時には、このシステムの中で、被災者支援などを行って参りたいと考えています。そのためには、関係者の皆様の理解をいただきながら、さらに、全国の男女共同参画センターとも具体的な運用の議論を深めて参りたいと思っています。

 

大規模災害時における男女共同参画センターの相互支援システム構築に向けて

 

私は大工の娘、籠田淳子です。

投稿者:所長 2015年03月01日

 

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 今年1月に、籠田淳子さんが代表を務める有限会社ゼムケンサービスが、内閣府「女性が輝く企業」特命担当大臣表彰を受賞しました。一昨年の内閣府「女性のチャレンジ賞」、昨年の「ダイバーシティ経営企業100選表彰」に続く受賞です。北九州市にとっても、大変嬉しいニュースでした。

 

 私と籠田さんとのご縁は、平成23年、『北九ネット“しおり”』という、私たちのグループに、ゲストスピーカーとしてお越しいただいた時からです。

籠田写真

 籠田さんの会社は、当時、社員11名中8名が女性という会社。男性社会と思われる建設業界にあって、この女性比率の高さに、まず驚きました。

 そして、社員採用についてのお話がありました。仕事も忙しくなり社員を募集したところ、子育て中で、フルタイムでは働けない女性が多かったそうです。初めは、お客様の都合に合わせる建設業界でそのような働き方では、無理。なんて甘いと思ったそうです。でも、考え方を変え、2人で1人の仕事をすればいいという発想に切り替え、時間で仕事をするのではなく、仕事を分ければいいと思い、子育て中の方を2人採用されたそうです。当時はワークシェアリングという言葉も知らず、結果としてワークシェアリングになっていたということです。籠田さんのこの発想が、柔軟で、独創的かつ、先進性を生み出す鍵だと思います。

 

 この働く人の視点に立って、働き方を変えていく発想がいいなと思い、北九州市のワーク・ライフ・バランス表彰への応募をお願いしました。その結果「北九州市ワーク・ライフ・バランス市長賞企業部門」を受賞。これは、個人賞に続く快挙ですが、籠田さんは、この時の受賞について、「ようやく企業として認めてもらった。社員も喜び、やる気につながっていった」とおっしゃっています。

 

 籠田さんの会社は、冒頭で触れたように、内閣府や経済産業省の賞を次々と受賞されています。でもその受賞のベースには、籠田さんのたゆまぬチャレンジがあります。女性力で建設業を明るく強くする「JKDT女性建築デザインチーム」の創設、在宅勤務への挑戦、さらに、産学官連携で女性力をビジネスにするシステム開発を慶應義塾大学とすすめていく予定だそうです。籠田さんは、いつも進化を続けています。会社の規模は小粒でも、やっていることは最先端、これからがますます楽しみです。

 

 こんな先駆的な籠田さんですが、私の大好きな言葉は「私は大工の娘、籠田淳子」という言葉です。お父様やお母様の創業の精神を忘れず、現場が大好きで、職人が大好きな籠田さんです。そして、籠田さんの笑顔や、社員の皆さんの笑顔もいいなと思います。働く人の幸せが、企業の業績につながっていく。これからも社員の皆さんとのチームワークで、新しい企業の姿を創っていってほしいと期待しています。

母が重たい・母娘関係

投稿者:所長 2015年02月01日

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  ムーブの相談室には、年間約4,700件の相談が寄せられています。そして、多くの相談の背景には、「娘にとっての重たい母」母と娘の関係の問題がよくあると、相談員から聴いていました。それが気になり、昨年秋、信田さよ子さんの『さよならお母さん 墓守娘が決断する時』という本を読みました。そこには、母親が、どれほど娘の人生に重くのしかかっているか、それを愛情と読み替えているかを、リアルに再現していました。濃淡の差はあっても、多くの母娘関係に、ありうることだし、それがひどくなると重たい母が娘を追い詰めてしまうのだなあと、相談員のいう意味がようやく理解できました。

 

 

決断する時

 

 そんな中、今年の対人援助職者セミナーでは、是非、信田さよ子さんをお招きして、母と娘の関係に、どう対人援助職者が対応すれば良いのかを、お話ししていただこうということになりました。

さっそく、信田さんに講演を依頼。しかし、「対人援助職者向けには、母娘の講演はやっていない」と断られてしまいました。そこで、何故、講演をお願いしたいのかを訴え、ようやく講演のOKが。

そして、実現したセミナーが、1月10日(土)のセミナーの『カウンセリングの現場からみる母娘関係』。鹿児島など遠くからの参加者を含め、定員の2倍を超える方々が参加してくださいました。

 

信田さんは、「母娘問題を男女共同参画センターで話すのは初めて」と、おしゃっていましたが、受講者にとっては、大変意義のあるセミナーとなりました。

 

 受講者の感想を一部ご紹介します。

  • (母の)愛情によって相手(娘)を弱体化すること=支配=依存について考えさせられた。
  • 援助者が誰の立場に立って聴くかという「立場性」を自覚することが重要だということがわかった。

  【娘は母からの被害を受け、母は娘への加害者性を持つ。この認識がカウンセラー

  として娘の立場に立つという「立場性」の自覚となる。中立はない。】

  • 距離の取り方を具体的にどうすればよいのかがわかりました。

【距離をとる「逃げる 会わない 宅急便を受け取らない 居場所を隠す」。方法論「言葉の掛け方・丁寧語を使う 時間の使い方・顔をあわせる時間を少なくする 期待を撤去する・わかってもらいたいなど」】

  • 母親を研究することが大切ということが心に響いた。

  【母ってどんな人なのだろう?母はなぜあのような生き方しかできなかったん

  だろう?研究の出発点は「どうして?」母親がひとりの人間としてクリアに

  なる】       

 *【 】内は西本補足

 

など、対人援助職者の方々にとって、様々なヒントをいただきました。

 

また、多くの受講者が自分のことと重ね合わせてお話を聴かれたようで、「気がついたら自分の生活に当てはめて聴いていました」などの感想が多くありました。

援助職者以外にも当事者として悩んでいる方からは、「母親との関係による罪悪感から少し楽になれた」、「これで生き延びることができます」とあり、苦しんでいる方のお役に立つこともできました。

 

ご自身もおっしゃっていますが、信田さんのお話は、「すべてカウンセリングの経験から学んだこと」だそうです。率直で、ユーモアあふれる、カウンセラーとしての情熱が伝わるセミナーでした。改めて、援助職者にとっても、当事者にとっても、「母と娘の関係」は大変難しい問題なのだということを考えさせられました。

また、機会があれば、どこかで、このテーマ「母娘の関係」を取り上げたいと思っています。